14.尾ける ページ15
そして次の日になった。
今日は大きな木の下で日向ぼっこをしていた。
もちろん、隣には本を読むレイもいる。
「なぁ」
読んでいた本から顔を上げるレイ。
その表情は真剣そのものだった。
「どしたのレイ」
「アイツらなんか変じゃね?」
ここでくるか。
“アイツら”、というのはさっき森の中へと駆けていった2人──つまりエマとノーマンのことだ。
まぁ俺も最年長だし伝えておくならこのタイミングの方が丁度いいもんな。
「そう?今日弟たちばっか見てたからわかんねぇわ。
...でもあの二人も赤ちゃんじゃないんだし、何かあったら誰かに相談なり自分たちで解決なりするだろ」
「⋯⋯」
そういうとレイは意外にも押し黙った。
目を細めてこっちを訝しんでいたのは少しドキリとしたが...気にしない、気にしない。
こういうのは動揺するのが一番ダメだ。
「......お前は、心配じゃねぇの?」
暫くしてレイはそう言った。
「そりゃ、もちろん心配だよ。
...家族だもの」
心配じゃ無いわけじゃないけど、俺が首を突っ込む必要があんまり感じないんだよなぁ。
原作でも3人、後にはギルダとドンも参加して5人で脱獄の計画を考え出していたから。
そんなことを考えてレイの方へ顔を向けると、黒い双眸が真っ直ぐ俺を見つめて逸らさないものだから驚いた。
有無を言わさぬ表情に思わず
「.....わかったよ。アイツらのことつければいいんだろ?」
そう答えていた。
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作者名:ルノチキ | 作成日時:2021年5月9日 12時