12.夢見すぎ ページ13
「...Aのことだからてっきり2人と一緒に行くのかと思った」
掃除を再開すると、レイがなにやら含みのある言い方をしてきた。
あ...そっか、レイとしてはここで俺にもハウスの真実を見せておきたかったのだろう。
2人ならまだしも、3人とか絶対鬼達に見つかるに決まってる。
レイの真意に気づきながらも俺は何の気なしに答えた。
「ギルダだけじゃ掃除も大変だからな。
それに、エマ一人じゃ心配だけどノーマンがいるなら大丈夫だろ」
そう思ったのは原作でも2人だけだったという考えもあるが、本心から俺が行く必要は無い考えたからだ。
「...そっか」
レイは数瞬不満気な顔をしたがすぐ様いつもの仏頂面に戻った。
掃除も終わって子供たちの様子を確認する。
特に問題も無さそうだ。
俺はエマたちが帰ってくる前に寝てしまおうと、ベットに潜った。
眠れないかとも思ったが、鬼ごっこの疲れからか存外すぐに眠りに落ちた。
──
─────
またしても夢を見た。
エマたちと門に行った時の夢。
確か...5歳くらいだったっけ。
着いて行くつもりは無かったけど、マンガでしか知らない門を実際に見たくなったんだ。
だから、4人で門に向かった。
「ねぇ、“外”へ出たら、何がしたい?」
「分かんね、エマは?」
「キリンに乗りたい!」
「がんば」
「エマなら本当に乗りそうだけど」
キリンに乗ったエマを思い浮かべて笑った。
「一体何から僕らを守っているんだろう」
──いい?門と森の奥の柵へは...
「“危ないから近寄ってはダメよ”......か
あんなの嘘に決まってるだろ」
そう言ったレイの表情はどこか憂いを帯びているように見えた。
「そうかな」
「ちぇっ、大して面白くもなかった。バレない内にさっさと戻ろうぜ」
「うん」
─────
──
誰かが里親に出されると必ず小さい頃、若しくは前世の記憶を夢に見る。
なんで見るのかを考えても答えは出ないままで
今回は前世の夢を見ないだけマシだったかな、なんて。
まだ朝も早い
布団に包まって二度寝を決め込んでやった。
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作者名:ルノチキ | 作成日時:2021年5月9日 12時