10.成功 ページ11
コニーには上手く気配を消す方法を教えた。
そしてドンには囮になってもらい、俺とギルダでノーマンを挟み込むように追いかけ、コニーのいる方へと誘い込む。
「いまだ!」
俺がそう言えば、ノーマンは一瞬訝しげにこちらを見たあと、俺とギルダを警戒してスピードを速めようとする。
そう...ノーマンは“俺たち”を警戒している。
コニーには最初からずっと隠れてもらっていた。
だからノーマンはコニーがいることを気にしなかった。
そこまで高さの無い木からコニーが降り、ノーマンを捕まえる。
ノーマンはびっくりしたような表情を浮かべ、あっさりとコニーに捕まった。
「「...やったぁ!」」
「よっしゃぁぁ!!!」
「やった...」
まさか本当に捕まえられるとは。
「3人とも、ホントにありがとう!!!」
コニーは今日一番の笑顔を浮かべている。
よかった、脳をフル回転させた甲斐があった。
「コニーが頑張ったからだよ!」
本当にすごかった、と俺が言うとドンとギルダも頷いている。
「すごいね、捕まるなんて僕も思ってなかったや」
素直に負けを認めるノーマン。
「どーだ!これが俺たちの本気だ!!」
「凄かったのはドンじゃなくてコニーだけどね」
そしてすかさず揚げ足を取っている。
流石ノーマン。
「ノーマンちょっといい?」
ドンたちに断りを入れ、2人で話せるとこまで移動する。
「さっき捕まったのってわざと?」
「...うっかり捕まっちゃっただけだよ」
「・・・」
果たして本当にそうなのだろうか。
あのタイミング、ノーマンならよけることもできた...はず。
俺がまだ疑っていることに気づいたのか、ノーマンは口を開いた。
「コニーが隠れていたのは想定外だったから、あそこで避けたとしてもギリギリだった。
それに避けたとして後方にはAとギルダ、前にはドンが見えた。
だからどちらにせよ捕まってしまうことに変わりはないよ」
やっぱノーマンは飄々として掴みどころがないな。
これ以上探ってもいつか倍くらいで反撃されそうだし、ここらでやめとくか。
「そっか...じゃあハウスに戻ろう」
2人でハウスまでの道を歩いた。
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作者名:ルノチキ | 作成日時:2021年5月9日 12時