14.不明 ページ14
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「じゃ、先に行っててねナツメ〜。ハルヤ君に宜しく〜」
「あーもう分かったから!早く行って!」
意地の悪そうな笑顔を浮かべ、サキはわざとらしく踵を返して会議室の方へと進んでいった
「あ、サキちゃんおはよー!」
「おはようございます先輩!あれ?キラコン変えました?」
「やっぱり分かる〜?」
彼女達の話題にはやはり付いていけない。校則的にカラーコンタクトやメイクはセーフゾーンらしいが、この二年間で私は一度もそれらを付けたことはない。
ってか。そもそもそんな時間もないし
「おはよう、ナツメ。」
2-Bに入ろうと扉に手を掛けたとき、ハルヤとは違って、正しいバッグの持ち方をしたトウマが私に挨拶をしてくれた
「あ、トウマ。おはよ。」
親しげに会話をする私たちの周りには、嫉妬と羨ましさと和みと…まぁ、とにかく色々な女子の感情が混じった視線が溢れる
一気に注がれるそれはいわゆる威圧に近い物なのだろうが、トウマはそんなことを全く気にする様子もない
そもそも私達幼馴染みなのに。関わっちゃいけない訳じゃないじゃん。
そんな事言うやつが居たら反抗するわ。
「…昨日のアキノリのこと。どう思う?」
トウマの目的は私にそれを相談する事だ。どうしてわざわざそれらの視線を気にする必要があろうか
彼がやましいことを考えている訳は絶対的にないし。ましてやそんな説など証明ができない。
「…改めてだね。やっぱり、どうしたんだろうとしか言えないよ。」
「そうだよ…ね。だって推測するにはあまりにも情報が少なさ過ぎるし。」
アキノリの状況を知ることが出来る可能性がある物をあげるとするならば、直前に送られてきたあのメッセージと写真の2つ
しかしメッセージも写真も意味の分からない物ばかりで結局役には立たない
「…直接探りにいくしか無いのかな。」
「確かに。それが一番良いかも」
「じゃあ…放課後、大丈夫?」
「うん。じゃあいつものヨロズマートで。」
最後の文だけ切り取ればまるで私が彼に向けてデートの約束を取り付けたかの様だが、そんな都合の良い耳をした同級生はこの学校に居ないと信じたい
「あ、そうだ。一応アヤメさんにも伝えておくよ。」
彼のその発言の意図が分かったその時ほど、笑いを堪えるのが大変だったのは人生の中で一度も存在しないと思う
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名無しのダレカ - 紅白巫女w (2020年4月22日 19時) (レス) id: 6bf8819783 (このIDを非表示/違反報告)
#チョコラーメン - 寝高麗☆トラジローさん» コメントありがとうございます、ご指摘いただいた件ですが、改めて調べてみたところ、さくら元町の所在は東京との事でした。人の間違いを指摘できる立場でもないのに…申し訳ございません。また何か小説内での誤字や誤植がございましたらご指摘頂けると幸いです。 (2019年5月26日 19時) (レス) id: d51802be4f (このIDを非表示/違反報告)
寝高麗☆トラジロー - あれ?妖怪ウォッチの舞台って《東京》じゃなくて《九州》じゃなかったでしたっけ? (2019年5月26日 18時) (携帯から) (レス) id: e5ef8f5494 (このIDを非表示/違反報告)
#チョコラーメン - 雪葉さん» コメントと閲覧ありがとうございます、そして返信が遅れてしまい誠に申し訳ございません…。雪葉様から頂いた「!」マークを気力にして頑張って行きたいと思っていますので、今後ともこの小説を宜しくお願い致します (2019年3月10日 16時) (レス) id: 5d2ed15dfa (このIDを非表示/違反報告)
雪葉 - 更新楽しみにしています!頑張ってください! (2019年3月3日 17時) (レス) id: 3c70fe5d70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:#チョコラーメン | 作成日時:2019年3月2日 22時