ま ページ9
「……前世の記憶で俺と暮らしていたってのは、俺とは夫婦だったってことか？」
「えぇ。裕福とは言えませんが、子供2人に恵まれ、自給自足の生活で……ここの家に住んでいたんです。
力持ちで、優しくて強くって明るくって……名前は光太郎さん。見た目も貴方にそっくりなんです」
「……俺は、そのあとどうなったんだ」
拳をぎゅっと握りしめ、冷汗が滴る。
「……治らない病気になりました。その時に流行っていた感染症だったみたいです。
子供たちは祖父母の家に預け、私は看病をしました。
太かった腕も、骨と皮だけになって。
笑顔も、分からなくて。でも、貴方は……光太郎さんは、最後に愛していると言い……死にました」
夏に入る前の、湿った空気が、私と木兎さんの間を通ってゆく。
「こんなに……好きになるのなら、愛すのなら、出会わなければよかった。
こんなに悲しい思いをして泣き崩れるのなら、愛さなければよかった。
どうか、次に生まれ変わるときは、他人になりますようにと……。
私は三日三晩泣き続けました。そして、涙も涸れはて死んだんです」
不思議と、涙は出なかった。涸れ果てたわけではない。
やっと彼に話せてすっきりしたんだ。だから、笑える。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 67人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いすだ(プロフ) - 紫苑さん» コメントありがとうございます！大丈夫です！初見はどうしても「ん？」と思ってしまいますよね。ぜひ内容を見てください〜！ (2022年5月4日 12時) (
レス) id: b562ecc021 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - 間違えました、wごめんなさい。内容読んでなかったので、適当なことを言ってしまって…あ、↓の間違いは見なかったことにしてください、wwwほんとにごめんなさい (2022年5月4日 12時) (レス) id: 1c7bf85d9b (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - あ、すみません、内容四でなく (2022年5月4日 12時) (レス) @page13 id: 1c7bf85d9b (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - あの、雰囲気ぶち壊すんですけど、題名間違ってません？ (2022年5月4日 12時) (レス) id: 1c7bf85d9b (このIDを非表示/違反報告)
蝶華 - 感動しました(＞＜)これからも頑張って下さい！！ (2020年4月29日 18時) (レス) id: 05b32a56ac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
