ん。３【音駒】

ん。 ページ40

夜久side


　
「なんとか合宿も終わりそうだな〜」


「1日だけだと、やっぱり短く感じるね」



合宿1日目の夜。教室で3年生で集まり、雑談や次の作戦はどうするかなど話し合っていた。



「とりあえず宿題や課題やらは全部終わらせて正解だな」


「心配だったリエーフも山本も、Aにあぁ言われちゃあやる気も上がるってもんよ」


「女神かよ、あいつは」



黒尾がそういうと、実際そうなんじゃないか？と思う。

あいつがいなかったら、今の音駒はないな。



「そういえば、Aに好きな人っているのかね」



黒尾がそういうと、海はにこにこと返答する。



「その話毎度毎度するなぁ」


「あー、俺聞いたよ」


「「え！？」」



二人してでかい声を出したもんだから、雑談していた他の一年生や二年生も反応してしまう。



「まじかよ！？いつ！？どこで！？なにを！？」


「落ち着けよ！……えっと……先週、か先月か……忘れたけど……」


「そこ重要だろ！」


「つか、別に隠すもんじゃないからいいか……俺、告白したんだよね」


「誰に」


「Aに」


「なんて」


「好きだ付き合ってくれって」


「「えええ？！」」


「うるさいぞお前ら！」



見回りに来ていた直井コーチにそういわれて、俺たちは「すんません」と頭を下げた。

しかしそのあとずずいっと俺の周りにみんな集まってくる。



「ちょっとその話詳しく聞かせてくれません？」


「いいけど」



俺はこの前あったことを包み隠さず話した。

……ん→←ん！

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