ん。３【音駒】

ん…… ページ34

部室棟につき、崩れた現場を見ようとしたが、そこには何もない。



「なにも……ないな」


「あぁ……」



なにもない、と思っていたが、突然俺たちのバレー部の部室からモクモクと煙が上がる。



「えっ、煙！？」


「もしかしてあそこにAさんが！？」



俺は他の人よりも先に前に出て、階段を駆け上り扉を開けた。



「おい！A！！……げほごほっ！！くそ……！！」



なんでこんなところで出火してんだ？もしかしてAを攫った誘拐犯がここに立てこもって……？！



「落ち着け黒尾！これは……埃だ！」


「……『ほこり』？」



扉を開けたおかげか、先も見えなかった視界がだんだんはっきりしてくる。

その間も、皆はげほごほとせき込む。

前に進むと、俺たちの……いや、俺たちの先輩が残していった物たちが雪崩になって崩れており、その先にAが倒れていた。



「A！！」


『ん……』



駆け寄ると、Aは目を回していた。

気絶をしている……血は出ていないから、怪我はしていないみたいだ。



「なんで、ここに……？」


「げほっ……多分だけど、俺たちの部室を掃除しようとしたんじゃないの」



遅れて入ってきた研磨が、そういう。



「とにかく、Aさんを運ぼ」


「あっ、あぁ！」
　


埃だらけのAを担いで、俺は保健室に向かった。

確か、今は保険医はいないけど……とりあえず清潔なところで寝かせないと。

ん〜→←ん。

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