ん。３【音駒】

ん〜 ページ23

影山side

部活がお盆休みでなかった。

祖父のお墓参りも終わり、ただ出かけず家にいるのもなんかな……と思い飛び出して必死に必要なものはないかと考えたところテーピングしかなかった。

涼しいショッピングモールからでたくないな……体育館、開いてないかな……と考えていた時にまさかの同じ中学の国見と金田一、それに何故かいるAと再会してしまった……。

出会っただけだったらいいけど、腕を引っ張られて連れてこられたのはゲームセンター。



「お、おい、A……」


『ん』



指をさした先に目をやると、そこには少し古いエアホッケー台があった。

遅れて国見と金田一が来る。



「まさか」


「え……？やるのか？」


『ん』



そのあとAは無言で握り締めた右手を出す。

フッと上にあげたのを見て俺たちは条件反射でパーかぐーを出した。



「「あっ」」



結局俺と金田一、国見とAのペアになった。



「おい、A」


『ん〜』



聞く耳を持たないって感じでAはお金をちゃりんと入れた。



「……やるしかないのか」



俺たちはそれぞれ位置についてマレットを持つ。



［それじゃあ、いくよ〜！］



機械的な、がさついた音が流れる。

突然始まったけど、負けれるわけねえだろ！

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