いらない。６【牛島若利】

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うちに帰ってきても、あまり変わらない。

いつも通り、供養をしてお盆特集でやっているバラエティ番組を見るだけ。

すると、廊下にある固定電話から音が鳴った。



「ねぇね出て〜」


「あんたねぇ……」



廊下は暑いから、出たくないんだけどな。

立ち上がって、鳴っている電話にすぐに対応をした。



「はい、もしもし白樺です」


『もしもし、牛島ですが、Aさんはいらっしゃいますか？』



若利君か。というかいつも思うけど、電話だと私の声だと全然気づかないみたいだ。



「私だよ、若利君」


『！すまん』


「いいって。どうしたの？」


『明日のことなんだが』



連絡は、rimeじゃなくて電話でしてくるあたり若利君らしい。

確かに、声を聴けるだけで幸せだ。



『うちに、来てくれないか』


「うん……えっ」



若利君の、家に？



「いいけど、なんで？」


『……母親が、お前に会いたいと』



少し疲れた声でそういう若利君。

多分、呼びなさいって言われたんだ……。



「私は全然いいよ」


『そうか、駅前まで迎えに行く』


「ありがとう、それじゃあお休み」


『お休み、A』



電話を切った後、私はため息をつく。

……明日の服装、どうしよう。

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