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「集合!」
斉藤コーチが体育館に響き渡る声でそういう。
タオルを畳む作業をしていた私はやめてすぐに向かった。
「春高前の貴重な夏休み、いつもの合宿をやる。とはいっても、いつも通りではない。
今回は、青葉城西の入畑監督からのお声がけもあり、合同で合宿をすることになった」
「「!」」
IHで決勝で当たった青葉城西と、まさかの合同合宿。
皆は思わず息を呑む。
「もちろん、他の大学との練習試合もある。お互いの士気を高めあおうって話だ」
「青葉城西と!及川君とかと会えるのか〜!」
覚君が、後ろにいる私に突然話しかける。
思考がちょっと止まってしまったけど、うん、と頷く。
「若利君も楽しみだよね?」
「あぁ」
「合宿は、お盆明けの3日間。合宿で磨くんじゃない。合宿前だからこそ、気を緩まないように」
じっと、斉藤コーチに見つめられて覚君は「あ゛い゛」と返した。
「お盆明けってことは、皆一度家に帰るのか」
私以外の人は皆寮で生活している。
皆戻るのは正月休みと、お盆休みの間だけだ。
その間はバレーのことは忘れて、家族の時間を大切にしてほしいな。
「A」
「若利君、何?」
何か言いたげな顔をしている若利君に、私は近づく。
「……お盆の時だが、どこか一緒に出掛けないか?」
「!全然私はいいよ!」
うれしい。若利君から誘ってくれるのがうれしい。
「でも、いいの?実家の方に行った方がいいんじゃない……?」
「戻るのは1日でいい。ずっと家にいても退屈だからな」
「そうだね」
私と若利君が話している横で、こそこそと賢二郎君と太一君が耳打ちをしている。
「Aさん、マジで嬉しそうだな」
「牛島さんも話す機会が最近あまりなかったしな。そわそわしてたし」
「……そんなの気づくの賢二郎くらいだと思うんだけど」
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sally(プロフ) - 初コメ失礼します!!!以前からずっと更新の度に読ませていただいてます。牛若が好きで読み始めたのですがほんとに好きです…。着信音ほら貝で出陣が個人的にめちゃめちゃツボだったのでついコメントしちゃいました笑これからもひっそり応援させていただきます! (2020年4月25日 18時) (レス) id: e30a41127b (このIDを非表示/違反報告)
いすだ(プロフ) - コハクさん» コメントありがとうございます!最近小説を書くのが楽しくてつい沢山更新しちゃいます笑今週末、続編が出ますのでそちらでもよろしくお願いします! (2020年4月22日 12時) (レス) id: 3712830079 (このIDを非表示/違反報告)
コハク(プロフ) - 更新頻度が高くて嬉しいです泣いすださんの作品大好きです!応援してます! (2020年4月21日 13時) (レス) id: 204a8dc5ce (このIDを非表示/違反報告)
いすだ(プロフ) - 中村千尋さん» いつもコメントありがとうございます!ついに原作に入りましたが、全く終わる目処はたってませんwこれからも宜しくお願い致します! (2019年12月1日 10時) (レス) id: 8d99caffe6 (このIDを非表示/違反報告)
中村千尋(プロフ) - うおおおお!原作のあのシーンに入った!!いつも楽しませてもらってます (2019年11月29日 0時) (レス) id: a991a170a0 (このIDを非表示/違反報告)
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