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バスの席はいつも通り若利君の隣。
皆は配慮しているっぽいけど……。
「Aちゃんは〜、家だと何してるの?」
「え?普通に勉強とか本を読んでるよ」
「普通だ!!」
「だから普通なんだってば……」
後ろの席の覚君がものすごい勢いで話しかけてくる。
まぁ、楽しいからいいんだけど。
「天童、Aは疲れている。しばらく休ませてやったほうがいい」
「いいよ若利君。私も覚君とおしゃべりしたいから。そうだ、寮だと皆どんな感じなの?」
「寮だとね〜やっぱりみんなの家での様子がよくわかるよ〜英太君は相変わらず私服がダサいし、獅音はお父さんって感じがするし〜あ、この前賢二郎がね!」
「天童さん、勝手に話さないでください……」
賢二郎君の言葉で、空気が一気に冷めた。
「あ、あはは!言わないよ〜!
……とにかくね、本当に家族みたい!」
「お母さんは?」
「英太君!」
「おい!」
通路を挟んで隣の席に座っている英太君が苦笑いをしながらツッコミをいれてきた。
「お父さんはやっぱり……獅音くんで……」
「Aは一番上のお姉さん!そのつぎが長男の隼人君!で、自由に育った次男が俺、三男が太一、四男が賢二郎!五男が工!」
覚君がペラペラと妄想を膨らましていく。
うん、確かにあながち間違っていない。
「若利君はやっぱり末っ子だよネ〜」
「俺は一人っ子だ」
「いやそうだけど、あくまでも家族だったら〜の話!」
「俺はAの彼氏だ」
「そうだけど!」
覚君はツッコミに疲れたのか肩で息をした後にため息をついた。
「はぁ……うん、若利君に冗談通じないのは知ってるから……」
「A、俺はお前の彼氏だ」
「あっ、うん……そうだね」
急にこっちを向いて確認をしてくる。びっくりしたんだけど……。
バスは東京に向かってゆらゆらと動く。
騒いでいる高校生たちを乗せて。
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sally(プロフ) - 初コメ失礼します!!!以前からずっと更新の度に読ませていただいてます。牛若が好きで読み始めたのですがほんとに好きです…。着信音ほら貝で出陣が個人的にめちゃめちゃツボだったのでついコメントしちゃいました笑これからもひっそり応援させていただきます! (2020年4月25日 18時) (レス) id: e30a41127b (このIDを非表示/違反報告)
いすだ(プロフ) - コハクさん» コメントありがとうございます!最近小説を書くのが楽しくてつい沢山更新しちゃいます笑今週末、続編が出ますのでそちらでもよろしくお願いします! (2020年4月22日 12時) (レス) id: 3712830079 (このIDを非表示/違反報告)
コハク(プロフ) - 更新頻度が高くて嬉しいです泣いすださんの作品大好きです!応援してます! (2020年4月21日 13時) (レス) id: 204a8dc5ce (このIDを非表示/違反報告)
いすだ(プロフ) - 中村千尋さん» いつもコメントありがとうございます!ついに原作に入りましたが、全く終わる目処はたってませんwこれからも宜しくお願い致します! (2019年12月1日 10時) (レス) id: 8d99caffe6 (このIDを非表示/違反報告)
中村千尋(プロフ) - うおおおお!原作のあのシーンに入った!!いつも楽しませてもらってます (2019年11月29日 0時) (レス) id: a991a170a0 (このIDを非表示/違反報告)
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