応援するのは君の心！【佐久早聖臣】 (ページ8)

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おみおみ。ページ8

「さくさくー！」

　
「！佐原」

次の週の月曜日、練習が終わり帰ろうとしていたところ、同じく部活帰りの佐原は俺を呼ぶ。

「薬局寄るんだけど、一緒に行く？」

「……行く」

そういえば、マスクのストック切れかけていた。

薬局行くときは必ず佐原は声をかけてくれる。

だから俺もついていくことが当たり前になっていた。

「いやぁ、のどぬーる切れかけていてさぁ」

「ふぅん」

「寒くなってきたし、さくさくみたいにマスクして風邪ひかないようにしなくちゃね！」

「俺はそんな理由でマスク付けてるんじゃない」

「結局一緒じゃん！」

そんなたわいもない会話をしていたけど、俺はぽそりと呟いてみた。

「……A」

「！え、さくさく……？」

「いや、ごめん。そう呼んでみただけ」

ごにょごにょと言うと、ぽかんとしていた佐原が顔を近づけてきた。

「全然いいよ！え、これからも名前で呼んでよ！」

「気が向いたら」

「いつよ！ねぇ、さくさく！」

満面の笑みを浮かべる彼女。

そんなに、名前を呼ばれることが嬉しい？

薬局に着くまでスキップをするくらい嬉しいのか。

「私も聖臣って呼ぼうかな～それかおみおみ？」

「絶対やめて」

そんなこと言われたら、恥ずかしいから顔を見れなくなる。

「さくさく！」

お前らしいその呼び方だけで、十分。