応援するのは君の心！【佐久早聖臣】 (ページ11)

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届けるだけ。ページ11

Aside

春高二日目。試合が始まる前に、すでに応援合戦は始まっている。
　
相手が全国校であれば、応援はそれ相応のものだ。

「そういえば、どっかの高校が和太鼓持って行ってましたね」

「！いいなぁ……」

和太鼓で応援しているところ、見たかったな。

いやいや、それでも私たちの所の応援が最高だということを見せなくては。

相手の高校もかなりの強豪校。負けるわけにはいかない……！

ドン、ドドン！と大太鼓が鳴る。

「井闥山ー！ファイットー！！」

大勢の人がいる中、私の声はどこまで届いているのだろう。

少なからず、コートには届いているはず。

大太鼓の音と共に、伝統ある井闥山学院の応援を行う。

稲荷崎や梟谷は吹奏楽が有名だ。

応援も、選手を圧倒するほど強い。

井闥山がそうじゃなかったとしてもかまわない。

羨ましいとか思っていない。

私は、私たちなりの応援をする。

「押せ押せ佐久早！いけいけ佐久早！！」

　

全力を、届けるだけ。