白鳥のオネエ。final【白鳥沢】

厄介なのはあなた達も一緒。 ページ7

『若にばっかり集中するのはいいけど、アタシにも注目してよね！！』


「！」



速攻で上がってきて打つ。

綺麗にストレートが決まってアタシは天高く手を上げる。



「くそ……Aさん厄介だ……！」



そうつぶやいたのは、翔ちゃん。



『うふふ、貴方たちのほうが何倍も厄介だけどね？』



笑顔で言えば、「負けません！」と張り切る一年坊主たち。



「なに敵の士気あげてるんですか」


『あら、いいじゃない。そのほうが楽しいでしょ？』



呆れて聞いてくるのは、賢ちゃん。

覚ちゃんの基準は楽しいか楽しくないかだけど……それはアタシも同じなのかもね。



「ナーイスキー！小野！小野！」


『はぁい、いつも声援ありがとう〜』



手を振った後に、またすぐ構える。

こういう時って切り替えが大事よね。



(……集中しているときの小野さんはやっぱり怖いな……)


『なぁに？工ちゃん。アタシの顔に何かついてる？』


「い、いえ！」



さて、若の休憩もはさみながらいきましょ。

烏野3ポイント、白鳥沢8ポイントのところで、テクニカルタイムアウトのブザーが鳴る。



『うんうん！みんないい感じね！』


「まぁ今のところ若利が半分以上点数を稼いでいる感じだけどな」


「どう？若利君、体あったまってきた？」


「だいぶな」



覚ちゃんが肩に手を当てて聞くと、若はこくりと小さくうなずく。

まだまだって感じだけどね……これからもっと強力になってくるわね。



「次のサーブは……牛島さんですね」


『頼んだわよ〜！』


「あぁ」



最強サーブを見せて頂戴！

アタシは騎士だから。→←試合開始よ！

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