ロシアからのアドバイス。 ページ45
五色side
疑似ユース合宿2日目の夜のことだった。
「あのさ、五色」
日向が練習終わり後、話しかけてきた。
もう自主練はできるほど時間は残っていない。
彼はもう帰る支度を済ませていた。
「Aさんってさ、いないの?」
あぁ、そうか知らないのか。
「小野さんは、今海外にいる。確かロシア」
「海外!?ロシア!?」
「ロシアのチームで、活躍してるみたいだぜ」
「なんでお前が自慢気なんだ」
通りかかった白布さんから冷たい一言をもらう。
「もう春高の前には召集がかかっていたみたいなんだ。
で、試合終わって次の日にはもう」
「そうだったのか……」
少し端っこの方で、おそらく聞こえていたであろう月島も、へぇ、と眉をあげた。
「なぁなぁ、連絡って取れるのか?」
「え、なんで」
「えっ、だってアドバイスとか欲しいじゃん」
こいつ、行動力が化け物だ……。
「いいよ、でも明日時間がある時な」
「わかった!」
日向はぴょんぴょんと元気そうに去っていった。
俺は小野さんに、「明日時間ありますか」と打ち込んだ。
『……それで、連絡してきたってわけね』
「は、はい。忙しいところすみません」
『いいのよ!ちょうど暇していたから!』
テレビ通話で久しぶりに見た小野さんは、元気そうだ。
モコモコと暖かい格好をしている。こっちとは比べものにならないくらい寒いんだろう。
外は宮城と違って明るい。映像の隅にある大きめの窓から見えるのは、雪景色だった。
「というか、俺からかけても良かったのに……」
『何言ってんの!通話料金どんだけ取られると思っているのよ。アタシからであれば、工ちゃんはかからないから』
「え、でも小野さんは……」
『アタシはいいの。今稼いでいるから。不本意にもモデルでだけど』
「す、すみません」
「あ、Aさん!」
もっと会話をしたかったのに、日向が間に入ってきた。
876人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Nagi(プロフ) - 大好きですっ!!! (2021年10月24日 1時) (レス) @page49 id: 974074d1dc (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣 - すごく面白かったです!これからも頑張ってください! (2020年3月31日 22時) (レス) id: 44c29d146e (このIDを非表示/違反報告)
いすだ(プロフ) - クロネコさん» コメントありがとうございます!ハマってくれてうれしいです!! (2019年10月17日 23時) (レス) id: f860ac395f (このIDを非表示/違反報告)
いすだ(プロフ) - 短気っきーさん» ありがとうございます!オネェ男子最高です……作者様の紹介ありがとうございます。今度見てみますね! (2019年10月17日 23時) (レス) id: f860ac395f (このIDを非表示/違反報告)
クロネコ - とても面白かったです!!ハマりました!! (2019年10月17日 20時) (レス) id: ba8b81f396 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ