神様どうかお願い。 ページ40
表彰式も終わり、バスで白鳥沢学園に帰る。
その間、とても静かだった。
アタシは家族から送られたメールを見て、一人一人にありがとうと送っておいた。
白鳥沢学園に戻り、疲れが残る中ミーティングを行う。
大まかな引き継ぎを行い、仁がまとめていた。
「じゃあ、引き継ぎは以上で……後何か」
「いいか」
と、手を挙げたのは若だった。
「川西」
「！？は、はい」
急な名指しに、少し騒つく。
「天童なき後」
「若利君それ死んだ時の言い方じゃない？」
覚ちゃんの言葉を無視して、若は話す。
「お前がブロックの要だ。もっと自信を持っていい。それとサーブを強化しろ」
「は、はい！」
「白布」
「はい！」
「今後のチームの組み立てはお前にかかっている。
うちに弱いスパイカーはいない。きっちり生かしてやれ。
あとお前はもっと守備を磨け」
「……はい！」
「全員分言う気か？」
「珍しいな……」
「ていうかよく見てたね！？」
頼もしいこと。何十人もいる部員の一人一人にアドバイスをする気だわ。
そして最後の一人、工ちゃんの名前が呼ばれる。
「五色」
「はい！！」
少し表情を和らげ、まっすぐ伝える。
「頼むぞ」
エースから、エースへの言葉。
これ以上嬉しいことはない。
「はいっ！！」
「ありがとうございました！」
「「ありがとうございました！！」」
ボロボロと涙をこぼす工ちゃんに、覚ちゃんと隼人はちょっかいを出しに行く。
その様子を黙ってアタシは静かに見守った。
きっと彼らは大丈夫。未来の子に、期待しましょ。
「……じゃあ、100本サーブだな」
『え、本当にやるの！？』
ジャージを脱ぎ捨てた若。
クタクタなのに！？
「俺たちもやんの！？」
「どっちでもいいと思うぞ」
「はー、俺ジャンプサーブじゃなくてよかった！」
覚ちゃんは嫌そうに見えてちょっと嬉しそう。
アタシも脱いでやろうかしら。と思っていると英太ちゃんが肩に手を置いた。
「100本のうち何本入るか勝負しようぜ」
『望むところよ！』
「お前ら気合い入りすぎんなよ！」
これもきっと最後。
こんな楽しい時間もあっという間。
神さま、こんな素敵な彼らから、何も奪わないで。
アタシから奪ってください。
「おい！ジャンフロは禁止だろ！」
『入っているからいいんです〜！』
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Nagi(プロフ) - 大好きですっ！！！ (2021年10月24日 1時) (
レス) @page49 id: 974074d1dc (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣 - すごく面白かったです！これからも頑張ってください！ (2020年3月31日 22時) (レス) id: 44c29d146e (このIDを非表示/違反報告)
いすだ(プロフ) - クロネコさん» コメントありがとうございます！ハマってくれてうれしいです！！ (2019年10月17日 23時) (レス) id: f860ac395f (このIDを非表示/違反報告)
いすだ(プロフ) - 短気っきーさん» ありがとうございます！オネェ男子最高です……作者様の紹介ありがとうございます。今度見てみますね！ (2019年10月17日 23時) (レス) id: f860ac395f (このIDを非表示/違反報告)
クロネコ - とても面白かったです！！ハマりました！！ (2019年10月17日 20時) (レス) id: ba8b81f396 (このIDを非表示/違反報告)
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