ここからはアタシの勝負。 ページ39
『ああっ！』
床に拳を叩きつける。
今まで来なかった疲れが一気に押し寄せる。
心臓の音がうるさい、それよりも息が上がりすぎて……。
「大丈夫か」
『！』
「そんなところで倒れていたらだせえぞ」
『……』
「集合だ」
黙って英太ちゃんの手を取り、アタシは立ち上がって整列した。
礼をした後、鍛治君のもとに集まる。
戻っている時、賢ちゃんはどこか遠くを見つめていた。
『大丈夫？賢ちゃん』
「あ、はい。ちょっと混乱して。
負けるなんて、思わないじゃないですか」
『……まぁ、負けると思ってここにいる奴はいないわよ』
体育館に、汗と混じり一つ、また一つと雫が落ちる。
工ちゃんは前を向けないほど泣いていて、隼人が肩を支えていた。
アタシは、泣かなかった。
「ミーティングは戻ってから。表彰式終わったらバス乗れ。
……と、後で100本サーブ」
はは、と笑みが思わず溢れる。
学校まで走るのは免れたから良かったのかしら？
『あら』
「！」
トイレで化粧直しをしているところに入ってきたのは、蛍ちゃんだった。
『お疲れ様。全国頑張ってね』
「あ、はい」
『手、ちゃんとケアをしてね。それじゃ』
メイク道具を急いでしまって、手をヒラヒラと振ってお手洗いを出る。
途中、忠ちゃんとすれ違い、ペコリと挨拶をされた。
「あ！Aさん！！」
と、声をかけたのは翔ちゃんだった。隣に飛雄もいる。
『翔ちゃん、飛雄、おめでとう！……頑張ってね』
「ハイっす！絶対、牛島さんより凄いって言わせます！」
『アハハ！それは楽しみにしているわ』
まぁ、彼らは十分凄いけど。
『……でも、アタシは一足先に行かせてもらうわ。貴方達の先をね』
「「？？」」
『じゃあね〜』
よくわかっていない1年コンビを置いていく。
さ……こっからはアタシの勝負ね。
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Nagi(プロフ) - 大好きですっ！！！ (2021年10月24日 1時) (
レス) @page49 id: 974074d1dc (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣 - すごく面白かったです！これからも頑張ってください！ (2020年3月31日 22時) (レス) id: 44c29d146e (このIDを非表示/違反報告)
いすだ(プロフ) - クロネコさん» コメントありがとうございます！ハマってくれてうれしいです！！ (2019年10月17日 23時) (レス) id: f860ac395f (このIDを非表示/違反報告)
いすだ(プロフ) - 短気っきーさん» ありがとうございます！オネェ男子最高です……作者様の紹介ありがとうございます。今度見てみますね！ (2019年10月17日 23時) (レス) id: f860ac395f (このIDを非表示/違反報告)
クロネコ - とても面白かったです！！ハマりました！！ (2019年10月17日 20時) (レス) id: ba8b81f396 (このIDを非表示/違反報告)
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