ん。２【音駒】

……ん？ ページ15

「あ、戻ってきた！」
　

「良かった〜！」


「山本たちには連絡入れてある、すぐに戻ってくるだろ」

　

皆、私のことを探してくれてたんだ。

本当に申し訳ないことをした……。



『……ん？』


「？ どうしたんすか？ Aさん」



ちょっと待ってほしい。

私は連れ去られたわけであって、悪くないのでは？



「A〜！」



ズンズンと向かってくるのは、すっごいお怒りの夜久。

今にも血管がはちきれそうだ。



「お前、どこに行ってたんだ！」


『……ん』


「何が悪くないだ、心配かけたのは変わんねえだろ！」


『んんっ』


「はぁ〜？ ……まぁ、それは災難だったな」



あ、夜久を何とか抑えつけられた。

今回は私、悪くないもん。



「とりあえず、一旦別れたとしても方向音痴じゃなくてナンパにもあったから、次回からはもっと厳しくいくからな」


『ん！？』



私の自由はないのか……！



「あたりまえだろ。これ以上うろちょろされるとこっちも困るからな。あと防犯ブザーつけとけ。

じゃあ飯食いに行くぞ！」



弾丸のように話がポンポン進んでいく……。

ため息をつくと、海がニコニコとこっちにきて耳打ちをしてきた。



「Aがいなくなったって聞いて、大慌てであちこち探してたんだぞ」


『……』



その優しさは、知ってるもん。

ん……→←んー！

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