ん。２【音駒】

ん…… ページ42

黒尾side


「……見えないかもしんないけど、こいつ全国で5本の指に入るくらいのスパイカーだから、練習になると思うよ」



そういうと、嬉しそうにふふん。という木兎。



「……3本の指にはぎりぎり入れないですかね……」


「どんまい」


「落とすくらいなら上げないでください！！」



それに反応した赤葦がすかさず反論。

いやぁ、いいセッターですなぁ。



「……それに、君、MBならも少しブロック練習した方がいいんじゃない？」



ムカッとした眼鏡君。

煽り上手の黒尾君をなめるなよ。

すかざず木兎がグッジョブ！とする。Aは……。



『ん……』



哀れむような目で見ていた。




　





　




リエーフのレシーブ練習に付き合っている間、眼鏡君は木兎の練習にずっと付き合っていた。

木兎の「もう一本！」という声が響き、ボールがあちこちに飛んでいく。

こちら側に来ないようにAが一生懸命拾っているが、大変そうだ。

……さて、リエーフが死んでしまったところだし、俺も練習の中に入るか。



「一枚ブロックに勝ったっだけっすよ」


「うっせーな！」


「じゃあ、2枚でどうだ？」


「2枚ブロック上等！行くぜ！！」


「眼鏡君はストレートをきっちりしめとけよ！」



わざと、クロス側を開けておいて、そこを締める！



「うぇーい！」


「くっそ！」



奥の方で、Aがぱちぱちと小さく拍手をしてくれる。

どーもどーも、と手を上げた。

ん。→←ん゛

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す