ん。２【音駒】

ん！ ページ12

黒尾side


「いいかA、絶対にここの店舗から出るなよ？ それと、俺が電話するからすぐに出ること」


『ん』


「会計する時は俺を呼んでくれ。あー……まぁ俺はでかいからすぐわかるだろ」


『ん！』


「Aさん、俺達もいますから安心してください！」


『ん』



とりあえずここのスポーツセンターの中にいるのは犬岡と芝山と俺とAだ。

休日ってこともあって、人は結構いるが……出るなって言ってるし、大丈夫なはずだ。

さっさと自分のものを選んですぐにAの所に行くか……。








「えーっと……あったあった、やぁっと見つけた……」



バレー専門の売り場はいつも行ってるから見つけられたが、テーピング売り場はなかなかいかないから迷ってしまったな。

指用の細いやつを３つくらいカゴに入れて、Aを探す。

一応、携帯に連絡を入れてみよう。



「………でない？」



しかも着信拒否……何があったんだ。

嫌な予感がして、すぐに犬岡と芝山の方に向かった。



「おい、Aみなかったか？」


「Aさんですか？ 見ていないです……」


「俺達もちょこちょこ探しているんですけど……！」


「まずいな、こうなると……禁断の……」


「まさか……」



禁断の技、それは……。

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