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「ん…?」
目を覚ますと、私の部屋の天井。
あれ、なんで私…。
勢いよく起き上がると、頭がズキンとした。
…あ、そうだ。若利君とバレーしてて…。
下の方に目を向けると、若利君がスヤスヤと寝ていた。
「わ、かとしくっ…!」
声がかすれて上手く出ない。
風邪…ひいちゃったんだっけ。
若利君をゆさゆさと揺らすと、「んん…。」と唸った。
「A…!大丈夫か。」
「うん、だいじょ、ぶ。」
「声が出ないのか…!待て、母を呼んでくる。」
「若利く、マスクちゃんとして…。」
一応そう伝えて、私はもう一度横になった。
…迷惑かけちゃったな。
最悪だ、最悪のデートだ。
あれをデートと言ってもいいのか知らないが、若利君と二人っきりだったのに。
今日が最後の休みだし、五日から春高なのに。
何やっちゃってんの私…。
「A、大丈夫?」
「母さん…。」
お母さんがマスクを持ってきてくれた。
それをつけながら、母さんは話してくれる。
「若利さん、貴方を抱えてここまで来てくれたのよ。」
「うん…。」
「ずっとここにいたから、心配だけど、若利さんなら大丈夫ね。」
「でも、私のせいで、若利く、風邪引いちゃったら…。」
「平気よ。そんなのより勝っちゃうわ。さて、そろそろ夜も遅いし若利さんを返さなくちゃね。」
あ、そっか。明日から練習だ…。
いける感じ…じゃないもんね。
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いすだ(プロフ) - はるさん» 五色君はいらない。5からの登場となっています。ずいぶんと長い小説で申し訳ないです。 (2019年11月14日 1時) (レス) id: cfa7055438 (このIDを非表示/違反報告)
はる - 楽しく拝見させて頂いています。五色くん入学済みですか? (2019年11月13日 23時) (レス) id: 085fbd1675 (このIDを非表示/違反報告)
Ri.N.(プロフ) - 大好きすぎます…!! (2019年8月6日 15時) (レス) id: 269f2c8d73 (このIDを非表示/違反報告)
さみだれ(プロフ) - 今日本を読んでての区切りを今、日本を読んでてと見てしまったw (2018年2月12日 0時) (レス) id: d56680395c (このIDを非表示/違反報告)
少女 - 牛島さんの魅力が分かりました! 素敵な人だったんですね。 (2017年7月17日 1時) (レス) id: cd5b0b40a3 (このIDを非表示/違反報告)
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