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白布side

 
俺の目標は、牛島さんがいつもそこにいた。

その隣には、いつもAさんがいた。

彼女が笑えば牛島さんも喜ぶ。

彼女が困っていれば牛島さんも不安になる。

ああ見えては余計かもしれないけど、牛島さんは結構繊細だ。

彼女一人で左右されることが多い。

だから、俺が少しでもAさんのことを考えなくては。

…余計なのは、俺かもしれないけど。



「賢二郎君本当にありがとうね。」


「いえ。太一が、ずっと聞いて気になっていたものですから。」


「えー?本当?」


「本当です。」



いや、これは事実だ。

太一は毎時間の休み時間に聞いてきたし。

にしても大きな荷物だ…。



「これ、中に何が…。」


「それは内緒。」


「っていうか重いですね。よく運べましたね。」


「力には自信あるんだよ。いつもドリンクとか持っていたし。」



クスクスと笑っているAさん。

その笑顔を俺には見せないでください。

牛島さんだけに見せてください。

そうじゃないと。




 






 






 









俺が惚れてしまうから。



「白布とAか。」


「若利君。」


「!」



いつの間にか牛島さんが歩いていた。



「白布、その荷物はなんだ。」


「え、これは…Aさんのもので…。」


「そうか、なら俺が持つ。」


「でも…。」


「持たせてはくれないか。」



牛島さんは、Aさんにかっこいいところを見せたいのかな…。

荷物をヒョイっと軽く持つ牛島さん。

その隣をAさんが歩く。

俺はその後ろを歩き、足を止めてただ見守る。

これでいいんだ。

牛島さんも幸せで、Aさんも幸せで。



「賢二郎君、おいで〜!部活一緒に行こう。」


「…でも。」


「白布、行くぞ。」
 

「…はい!」



俺も、その隣を歩いていいのなら。

幸せを少しでも共有してもいいのなら、ついていきます。

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いすだ(プロフ) - はるさん» 五色君はいらない。5からの登場となっています。ずいぶんと長い小説で申し訳ないです。 (2019年11月14日 1時) (レス) id: cfa7055438 (このIDを非表示/違反報告)
はる - 楽しく拝見させて頂いています。五色くん入学済みですか? (2019年11月13日 23時) (レス) id: 085fbd1675 (このIDを非表示/違反報告)
Ri.N.(プロフ) - 大好きすぎます…!! (2019年8月6日 15時) (レス) id: 269f2c8d73 (このIDを非表示/違反報告)
さみだれ(プロフ) - 今日本を読んでての区切りを今、日本を読んでてと見てしまったw (2018年2月12日 0時) (レス) id: d56680395c (このIDを非表示/違反報告)
少女 - 牛島さんの魅力が分かりました! 素敵な人だったんですね。 (2017年7月17日 1時) (レス) id: cd5b0b40a3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いすだ | 作者ホームページ:欲はない。  
作成日時:2017年4月10日 19時

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