いらない。３【牛島若利】

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クリスマス当日。

私は大荷物を抱えて学校に向かう。

今日はもう学校終わりで冬休みに入ってしまう。
　
同級生からはどうしたのその荷物と聞かれたが、何となくごまかしておいた。



「あ、Aさん。」


「賢二郎君。」


「え、なにあの子、イケメン！」


「部活の後輩の子…ちょっと待って！」



クラスの子から離れて、廊下にいる賢二郎君に向かう。
　
そういえばよく見ていなかったけど、賢二郎君4月の頃から見てだいぶ大きくなったな。



「どうしたの？」


「すみません、俺ちょっと変な噂聞いちゃって…。」



え、変な噂？

まさかまた、若利君に私迷惑を…！



「その、大荷物の事なんですけど。」


「あ、これの事…？」


「今日クリスマスってこともあって、皆意識しちゃっているみたいで。

これは、クリスマスの件と関係していますか？」


「け、賢二郎君率直だね…。」



こんなにも真っ直ぐに聞いてくるとは。



「すみません、気になったものなので…。」


「うん、そうだよ。」



別に隠すこともないしね。



「じゃあ、その荷物重いでしょう。俺が持って行きます。」


「いいの？」


「はい。」



それは嬉しい。

あの大きなものを運ぶの結構大変だったのだ。



「任せるね。」


「はい。」



賢二郎君は嬉しそうにはにかんだ。

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