いらない。３【牛島若利】

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帰ってきたらミーティング。

監督からはまだまだだという言葉を言われ、選手たちはさらに気合が入っている。

そして、解散した後。



「A、バレーをしよう。」


「え、今から？」


「あぁ。」



時計を見ると、6時過ぎ。

10月終わりなので、寒いし日も沈んでいる。



「…疲れていない？」


「バスの中で寝たら、もう疲れていない。」



そうだ、若利君はこういうやつだ。



「おい、さすがに…。」


「いいよ、若利君。」


「Aも！？」



私は自分の荷物を持った。



「じゃあ、俺達も…。」



と、獅音君たちも来ようとする。



「すまない。」


「？」


「俺と、Aだけにしてほしい。」



若利君がそういうと、皆が目を丸くさせたが、誰かがため息をついた。



「分かったよ、ほら行ってこい。若利、8時までには帰ってこいよ。」


「あぁ。」


「ごめんね皆、また明日。」


「おう！」



若利君が「行こう。」というので、私は「うん。」と言い一緒に外に出た。

バレーボールを右手に持ち、左手は私が握る。

若利君に左手が、全国に連れて行っているんだもんなぁ。



「ん？」


「なんでもないよ、若利君。」



今、スッゴイ幸せ。

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