【BL】ねぇ、父さん。【黒 尾 鉄 朗】

39　勉 ページ39

高校に行くための勉強は、たくさんやった。

お金がないからと言う理由で俺は塾に入っていないし、晴翔君はめんどくさいし受験中もバレーがしたいということで塾に行っていないらしい。

それでも自分たちで時間を作って勉強をして、二人で教え合ったり先生に聞いたりした。

勉強しているときに父さんが仕事から帰ってきて、勉強の内容を見せると、ページをパラパラめくって「分からん！」と言って閉じた。

勉強は別に嫌いではない。毎日1時間以上はやっている者だし、あたりまえだと思っていた。

そのことを父さんや晴翔君に伝えると、ちょっと引かれた。



「にしてもさ、絶対に受かるのになんでもっと勉強するんだ？」


「なんか勉強していないと落ち着かないんだよね。周りがやっているんだったら俺もやらないと。」


「真面目かよ！」


「晴翔君は不真面目なんだよ。ほらここの問題違う。」


「えー…。」



二人で黙々とやるけど、晴翔君はすぐに集中力が切れてしまう。

いつものバレーの集中力を生かしていけばいいのに…。



「これ終わったら、バレーやんない？」


「だめ。あと5ページ提出するところあるだろ。」


「んええ…。」



もう俺も心を鬼にしてやっていかないとな。

晴翔君の家には、大きな庭があって、そこでよくバレーをやっている。

まぁ、さすが及川徹の子供だって言ったらそうだけど、そういうのを晴翔君は嫌う。



「なあA…お菓子食べてもいいー？」


「…しょうがないな。」


「ありがとー…。」

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