【BL】ねぇ、父さん。【黒 尾 鉄 朗】

15　鮭 ページ15

研磨ｓｉｄｅ


時間通りに早く起きられた。

クロも、Aはこの時間に起きているって言っていたから、Aも起こさないと…。



「あ、研磨さんおはようございます！」


「…あ、おはよう。早起きだね。」


「なんか、早く起きちゃって…あ、朝ごはんはなんですか？」


「あ、ごめんコンビニのおにぎりでいい？」


「何味があります？」


「えっと、鮭と、ツナマヨ。」


「あ、鮭イイですか！？俺大好きなんです！！」



おにぎりを手に取り、おいしそうに食べるA。

俺は頬張るAを見て、ほほえんだ。



「？どうひましたか？…んぐ。」


「…いや。クロに…父さんに、物凄い似ているなって。」



大好きなものを見た時の、明るい表情。

喜び方。

でも、顔はクロの奥さん似かな。



「あと、寝方。」


「落ち着くんですよ！！」



顔を赤くして怒るところも、親に似ていた。

クロよりは大人しいし、いい子だけど。



「あ、学校に行かなきゃ！」


「もうそんな時間か…宿題とか、荷物は…。」


「あ、宿題はこっちに来る前に終わっていますし、今日の準備も持ってきただけです！

研磨さん、お世話になりました！また来ますね！」



ランドセルを背負い、帽子をかぶって玄関でぺこりとあいさつする。

ここまで礼儀正しいと、ちょっと怖いな。

クロなんてポンポン靴とか脱ぐし、すごくくつろぐし。

俺は懐かしく、思い出し笑いをしてしまった。



「行ってきます！」


「うん、行ってらっしゃい。また来てね。気を付けて。」
　

「はい！」



仕事をして、帰ってきたらゲームをして、人を避けてきた。

でも、こういうのも悪くないのかもしれない。

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