私のご主人。 ページ34
俺は黒尾鉄朗。
寝癖が直んないだけの、ただの大学2年生。
今は同じ大学の研磨と一緒に、家に帰っている。
「今日のご飯は秋刀魚にしようっかな。研磨も食べに来るか?」
「クロはそればっかり……ゲームあるからパス。」
「だってよー!秋刀魚っておいしいじゃん!」
「美味しいのは確か…。」
「だろ?」
研磨と話して帰っているとき、目の前に何か黒い物体が通った。
一度道路の真ん中でぴたりと立ち止まって、キョロキョロしている。黒猫だった。
「……ごんのすけ……?」
「にゃあん。」
俺んちの黒猫が、目の前にいた。
もうそりゃ、喜んだよ。
だけどやっぱり神様は理不尽だ。
俺が死ぬ前に、またごんのすけがいなくなっていって。
それを何回も繰り返せば、俺は死んでしまった。
そしたら、今度は俺が猫になって。
一緒に猫として暮らせるのかなって思ったら、ごんのすけが人間になってて。
美しい、本当に綺麗な少女だった。
ごんのすけが人間になれば、俺は猫。
俺が人間になれば、ごんのすけは猫。
繰り返して、繰り返して、いつか同じ猫か人間になれることを信じて。
いつまでもご主人で黒猫。
なぁ、これって幸せなのかな。
俺達が、幸せなら、それでいいか。
な、ごんのすけ。
一人の人物は、その一匹と一人を、窓の外から見つめて呟く。
「………哀れだなぁ。」
MERRYBADEND......
921人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
オユ。 - 泣いた。感動しました。素晴らしい作品をありがとうございました。 (2020年10月30日 19時) (レス) id: 9b74479a97 (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣 - 本当に素晴らしい作品をありがとうございました。 (2020年3月31日 20時) (レス) id: 44c29d146e (このIDを非表示/違反報告)
夜桜愛儚 - 泣いた、素晴らしい作品をありがとう (2019年6月5日 12時) (レス) id: b1fcaf3ab6 (このIDを非表示/違反報告)
みらい(プロフ) - コメント失礼します。前作から見させていただきました!見ていてかわいいや面白いが沢山出てきました。そして最後はとても感動しました!思わず泣いてしまいました。これからも頑張ってください! (2018年7月2日 1時) (レス) id: 47679824c0 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮咲那(プロフ) - はじめまして。誤字だと思うんですが、ミカちゃんの漢字は美華だったきがします。この作品で泣きました。これからも頑張って下さい! (2018年3月18日 10時) (レス) id: ef0ba5aad5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ