私のご主人。２【黒尾鉄朗】

むしろ落ち着く。 ページ22

準決勝、俺達は勝ちあがったけど、思い切り喜びもせず、ただため息をつく。



「なんか、ここまで来ると落ち着きができるっつか…そんな感じっすね。」


「確かにな…。」


「決勝はやっぱり…烏野、か。」



別のコートの試合が、モニターに出ている。

烏野も同様、準決勝を勝ち進んでも、やたらめったら喜ばない。

変わったな、あいつらも。



「さぁ、一旦ホテルに帰ってすぐ休むぞ。」


「黒尾、お前はミーティング終わった後すぐに家に帰った方がいいんじゃないか？」


「え？」



海が、俺の肩に手を置いた。



「一番に報告すべきだぞ。まあ、一応準決勝進出ってことで。」


「…そう、だな。」


「ごんのこと、よろしくね。」



皆に任されて、俺は「ありがとう」と感謝を言った。



「黒尾さん、感謝を言うのは優勝してからっすよ！！」


「リエーフのくせに良い事言うじゃねえか。」


「え！？ひど！？あ、ありがと…ん？」



リエーフの言葉に、皆が笑う。

そうだ、これが俺達だ。

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