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「五色」
「！はい！」
一番端にいた工君は、きっと何を言われるのかもんもんと考えていたんだろう。
顔をバッと上げる。
「頼むぞ」
工君の足元に雫が落ちる。大粒の涙があふれていた。
若利君の言葉には、いつも事実しかないことを、工君はよく知っていた。
尊敬しているエースから、白鳥沢の未来を託されたんだ。
「……はいっ！！！」
工君は泣きながら、力いっぱい返事する。
「「ありがとうございました！」」
一人の2年生の声に合わせて、1、2年生全員で頭を下げる。
泣いて顔を上げられない工君に、隼人君と覚君が近づく。
「ほらほらほら、泣いてんじゃないよ〜〜。
そんなんじゃ、チームを引っ張っていけないよ〜〜〜」
覚君がからかうように工君の後頭部に軽いチョップを入れる。
次のエースは泣き虫だけど、素直に真面目に熱く白鳥沢を引っ張っていくだろう。
若利君はそんな光景を眺めていたけど、不意にジャージの上着を脱ぎながら言った。
「よし、じゃあ100本サーブだな」
「え〜！？やっぱ俺たちもやんの！？」
いつものように淡々とボールかごに向かう若利君に不満げにつっこむ覚君。
「どっちでもいいと思うぞ」
そういいながら獅音くんも上着を脱ぐ。
「はぁ……俺、ジャンプサーブじゃなくてよかった……」
覚君も観念したように、しぶしぶ上着を脱ぎ始める。
私も見ているだけじゃない。
100本も打つのだから、そりゃ飲み物も必要だよね。
「よし、ドリンク作ってきます！」
「A〜！俺たちのサーブ見てろよ！」
「うん！」
いつもの光景も、これで最後。
若利君の打った力強いサーブが体育館の床に跳ね返り重い音が響く。
これからも、これは続いていくのだろう。
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さつち - 最近読み始めてほんとに一気に読んでしまいました。続きが上がること願ってます。 (3月4日 19時) (
レス) @page34 id: c754d1835b (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃ(プロフ) - 一気に読んじゃいました。めちゃくちゃ好きです。続き待ってます！！！ (10月1日 1時) (レス) id: 7447c314b6 (このIDを非表示/違反報告)
タク(プロフ) - 若利可愛い､､､将来のとこまで書いて欲しい‼️ (9月23日 16時) (レス) id: fe72dbe904 (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (7月29日 23時) (レス) @page34 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
いすだ(プロフ) - mooさん» コメントありがとうございます！若利君はここでは夢主に対して大きな子供(もとい赤ちゃんw)として書いていますので、いとおしさを感じていただけて何よりです＾＾長い作品になりますが、これからも読んでいただければ幸いです。 (7月20日 10時) (レス) id: b562ecc021 (このIDを非表示/違反報告)
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