359 ページ26
一進一退の攻防が続く。
どちらも引かない。そんな思いがぶつかり合っていく。
若利君を三連続使わせる賢二郎君も、痛いはずの右手を使ってブロックをしてくる月島君も……凄い気迫だ。
しかし、点数が烏野に入ってしまいマッチポイントになってしまった。
すかさず鷲匠監督が最後のタイムアウトを取る。
若利君は、エナジーゼリーを私の手から受け取る。
私だけでは手が足りない。ベンチにいる人たちも協力してタオルやドリンクを渡していく。
この短いタイムアウトの時間で、どれだけ休めるかが大事だ。
「若利君」
私は立ち上がって、声をかける。
「どんなときでもトスを上げるというのは、若利君が使い物になるうちは、ということでしょ?」
「!?おい、何か知らねえけどその言い方は……」
すかさず英太君が止めに入るけど、若利君はふ、と笑った。
「そうだ」
その笑みに、皆が驚く。
私も微笑み、「だって、賢二郎君」というと「あっはい」と混乱したような返事が返ってきた。
「私、信じているから」
「あぁ」
彼女だからとか、関係ない。
部活のマネージャーと選手。
もう、これ以上言葉を交わすことはないのだ。
「行くぞ」
立ち上がる若利君に、皆がついていく。
次にコートに戻ってくるときは、勝つときか負けるときか。
勝って、戻ってきてね。
2547人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さつち - 最近読み始めてほんとに一気に読んでしまいました。続きが上がること願ってます。 (3月4日 19時) (レス) @page34 id: c754d1835b (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃ(プロフ) - 一気に読んじゃいました。めちゃくちゃ好きです。続き待ってます!!! (10月1日 1時) (レス) id: 7447c314b6 (このIDを非表示/違反報告)
タク(プロフ) - 若利可愛い、、、将来のとこまで書いて欲しい‼️ (9月23日 16時) (レス) id: fe72dbe904 (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (7月29日 23時) (レス) @page34 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
いすだ(プロフ) - mooさん» コメントありがとうございます!若利君はここでは夢主に対して大きな子供(もとい赤ちゃんw)として書いていますので、いとおしさを感じていただけて何よりです^^長い作品になりますが、これからも読んでいただければ幸いです。 (7月20日 10時) (レス) id: b562ecc021 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ