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眼鏡君が交代してピンチサーバーが前に来る。
狙っていたであろうサーブは空いている白鳥沢コート前方へ。隼人君が叫ぶ。
「獅音!前!」
獅音君が何とか拾ったボールを賢二郎君が覚君へトスする。
スパイクはピンチサーバーのセッターが拾う。
覚君はそのまま日向君をマークしてブロックへ飛ぶ。
「アウト!」
線審がアウトだと判断した。
忌々しそうに舌打ちする覚君。
烏野27ポイント、白鳥沢26ポイント。
サーブ許可の笛が鳴り、影山君はボールを高く放り、助走しジャンプする。
強く打ち放つとみせかけ、寸前でふっと力を抜いてサーブを打った。
「前!!」
遠くから見ていた私がそう呼びかけたが、隼人君がギリギリでレシーブをする。
そのまま烏野の方にチャンスボールを渡してしまった。
日向君に向かって影山君がトスを放つ。
だけどそのトスは明らかに日向君の振り上げた右手には届かない。
覚君が言っていた。
──「セッターはぁ、スパイカーよりもボールをたくさん触るからばてやすいんだよ」
「へえ」──
影山君は、このフルセットで疲れているんだ……!
そのままどうか落ちてくれ、と願っていたが、日向君が咄嗟に左手で軽く押し出してボールを出す。
ボールは軽やかに白鳥沢コートに落ちた。
駆け寄ろうとしていた若利君が鋭くまっすぐな目で日向君を睨みつけていた。
「……ファイナルセット……」
第4セットは、烏野が勝利した。
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さつち - 最近読み始めてほんとに一気に読んでしまいました。続きが上がること願ってます。 (3月4日 19時) (レス) @page34 id: c754d1835b (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃ(プロフ) - 一気に読んじゃいました。めちゃくちゃ好きです。続き待ってます!!! (10月1日 1時) (レス) id: 7447c314b6 (このIDを非表示/違反報告)
タク(プロフ) - 若利可愛い、、、将来のとこまで書いて欲しい‼️ (9月23日 16時) (レス) id: fe72dbe904 (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (7月29日 23時) (レス) @page34 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
いすだ(プロフ) - mooさん» コメントありがとうございます!若利君はここでは夢主に対して大きな子供(もとい赤ちゃんw)として書いていますので、いとおしさを感じていただけて何よりです^^長い作品になりますが、これからも読んでいただければ幸いです。 (7月20日 10時) (レス) id: b562ecc021 (このIDを非表示/違反報告)
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