いらない。７【牛島若利】

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一回戦目、二回戦目と順調に駒を進めていき、ついに決勝にコマを進めた。

自分の持っている対戦表を確認する。

左側に白鳥沢学園がいるわけだけど……問題は、別ブロックである右側の対戦校が結構熾烈な戦いをしていた。

IH予選ベスト4だった条善寺を倒した烏野は、和久南との対戦で勝ち進んだ。

青葉城西も今は伊達工との試合を終え、今……烏野との試合が終わった。

勝ったのは烏野高校。つまり、明日の決勝の試合は青葉城西ではなく、烏野だ。

二校の対戦結果を見て、私は目をそらして廊下に出た。



「A。いくぞ」


「うん、ごめん」



明日の決勝に備えて、私は若利君と共にバスに戻ろうとした。

しかしその時、試合が終わったばかりの及川君と鉢合わせた。

及川君は私と目が合わない。若利君ととりあえず目が合ったから、立ち去ろうとしたのだろう。



「忠告だ及川、もう道を間違えるな」



若利君が及川君に、そう声をかけた。



「お前は道を間違った。

もっと力を発揮できる場所があったのに、取るに足らないプライドのためにお前はそれを選ばなかった」


「それは青城じゃなく白鳥沢に入るべきだったってことでOK？

成功が約束されたチームなんか無いだろ」


「！」



及川君のその言葉で、私の心臓が大きく跳ねた。

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