いらない。７【牛島若利】

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部活は毎日あったが、あっという間に春高予選の時期になった。

白鳥沢学園はインターハイの結果から、一次予選はなしで二次予選に行ける。

一次予選は本来、練習時間の無駄になるから見に行かないのだけれど……。



「じゃあ、行ってきます」


「気をつけろよ……！変な奴に声をかけられても無視するんだぞ！」


「何かあったらすぐ電話しろよ？」


「……あのねえ、私は偵察に行くだけだから。大丈夫」



英太君と覚君はハラハラと落ち着きがない。

そう、今日は一次予選の高校をマネージャーの私だけが偵察に行くのだ。



「もうマネージャーの仕事は一通りやったし、ドリンクも完成済みだから」


「分かりました。念のためこれを」


「？」



賢二郎君に手渡されたものは、防犯ブザーだった。



「だから！いらないって！」


「そうですか」


「A」


「！若利君」



横からスッと表れたのは若利君だ。おずおずとしているのは、先ほどまで心配し過ぎてしつこいと怒ったらしょげてしまったからだ。



「……気をつけろよ」


「もう、小さい子のお使いかっての。白鳥沢より強い高校は宮城にはないっていうけど、一応！！

見ていきたいと思ったからね。それじゃあ、試合に遅れるわけにはいかないから」


「「いってらっしゃーい」」



なんだろう、この「お留守番よろしくね！」「はーい」っていう感じ……。

とりあえず携帯の通知はオフにしておこう。

去年は見に行かなかったけど、今年はどうも気になる。

……あの烏野高校、夏でどれほど成長したんだろう。

それを確かめるために見に行くのだ。



＿＿＿＿＿＿＿＿

原作では8月11日に一次予選があったのですが、ちょっと変えます……。

長い間お待たせしました！それではお楽しみください。

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