いらない。【牛島若利】

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IH前の、平日の休み時間。



「…白樺さんって、バレー部の練習毎日来ていますよね。そして最後までいて。」



本を一緒に見ていると、白布君がそんなことを言いだした。



「うん…そうだけど。」


「誰か待っているんですか？」



心臓がドキリとなったのを感じた。いや、ばれていない。



「ううん、私はただの一バレー部ファンだよ。」


「そうですか。」



あれ、案外あっさりだったな…もっと聞いてくるかと思った。



「あらら、Aちゃんと賢二郎じゃん！！」



その声に後ろを振り向くと、去年会った時よりひょろっとした天童君がいた。



「…こんにちは。」


「天童君。」


「久しぶり〜じゃないよね、いつもいるもんね。2人して本読んでるの？」


「うん、面白いよ。天童君も読んでみる？」


「ん〜、いいや。俺本は読まないタイプだしっ！」



じゃあ、何故ここに来たのだろうか…。



「Aちゃんに会いたくなってね。ここにいるんじゃないかって推測(ゲス)ったの。」



フフンと鼻を鳴らせていう天童君。やはり私は天童君が読めず、少し苦手だ。



「会いに来ただけだから。じゃね〜！」



手を振りながら去っていく天童君。会いに来ただけなんだ…ホントに。



「…天童さんと、お知り合いなんですか？」


「あぁうん…いろいろあって。」



だって、一番最初に壁ドンしてくる人だもんね。

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