いらない。【牛島若利】

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白布side


同じセッターだという瀬見さんが、俺に何度も話しかけてきた。…気に入られたのか？

自己紹介の時に、ギャラリーにいるキャーキャーうるさい女の子とは違って、本を読んでいる人を見かけた。

普通の人とは違う雰囲気の彼女に、俺は興味を持った。



「…あの、瀬見さん。」


「ん、なんだ？」


「ギャラリーの…端っこにいる女の人、見たことありますか？」


「あぁ、白樺…なんだっけ、Aっていってさ。いつもそこにいるんだよ。特に応援もするわけでもないんだけどさ…終わるとすぐいなくなっちゃうんだよな。」


「…へぇ。」



瀬見さんに言われた通り、終わったらすぐにいなくなってしまう白樺さん。

片づけを説明してもらって、全てが終わると、牛島さんがいち早く出て行った。



「先に失礼する。」



驚いた。残ったりとかしないのかあの人。



「今年も若利君早く帰るね〜。」


「IHとか試合が近くなると残るけどな。」



先輩たちのそんな話を聞く。

牛島さんって、寮生徒だよな。

じゃあなんで早く出ていくのだろう…？

あまりいい案が思い浮かばなかった。

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