いらない。【牛島若利】

33 ページ33

「バレー部、また新入部員いっぱいなんだろうね。」
　

「そうだなー。大体スポーツ推薦だろうけどな。マネージャー勧誘してねえのに、かなり来るんだよ…。」


「そうなんだ。」



バレー部がマネージャーを勧誘しないのは、人数的な問題と、かっこいい人目当てというのがあるのかもしれない。

確かに常に人がたくさんいるよね、バレー部。若利君とかの人気が凄い。

瀬見君も凄かったのを思い出す。私こんな近くにいてもいいのだろうか。



「白樺がマネージャーだったらなぁ。」


「え？」


「お前ちゃんとしてそうだし。あ、鷲匠監督に相談してみようか？」


「い、いやいいよ。私多分何もできないし。」


「そうか？適任だと思うんだけどなぁ。」



どうして瀬見君も若利君みたいに私を勧誘してくるのだろうか。

クラスについて、中に入ると若利君がまたいた。あ、こっち見た。



「A。」


「牛島君、ここでは…。」



そういうと、ハッとした顔で、「白樺。」と直した若利君。

よかった、そこまで人数いないし、瀬見君も聞いていなかったみたいだ。



「よ！若利！」


「瀬見か。」


「おんなじクラスだな、よろしくな！」


「あぁ。」



そのまま瀬見君は若利君とお話を始めた。

私は荷物の整理をしていると、同じクラスだった女の子が入ってきた。



「Aー！」


「あ、同じクラスだね。」


「A頭いいから、課題とか写させてもらうわー。」


「ちょっとやめてよ。」



またいつも通りの日常。

34→←32

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す