いらない。【牛島若利】

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「えっとね、若利君のスパイクもかっこよくって、そんでサーブも凄かった。あと他の人たちも凄かった！」


「A、そんなに忙しそうに話さなくても、俺は逃げない。」


「分かってるよ。分かっているけど、久しぶりだから。」



屋上は少し寒かったが、今日は日が出ているおかげでそこまで寒くなかった。

若利君は何度も抱きしめてくる。あったかいなぁ。



「若利君、私のお守りずっと持っていてくれたの？」


「…あぁ。」


「嬉しいな。」


「俺も、嬉しかった。」



これって、すっごくのんびりしていて、幸せなんだ。



「私、若利君以外いらないよ。」


「！」


「何にも欲しくなかったけど、ずっと一緒にいて、若利君といるのが一番。若利君だけいればいい…って訳じゃないけど、今幸せ。」



若利君がさらに抱きしめてくる力を強くする。



「俺も…今、うれしい。」


「うん。」


「A。」


「…うん？」


「マネージャーにはなる気はないか。」


「それは…どうしてもだめです。」
　


マネージャーは、ちょっとやるとみんなの視線が痛いから…。

そんなにやってほしいのか…？



「一年生の皆とは、仲良くしてる？」


「あぁ。」


「ほんと？」


「あぁ。」



ただ、のんびりとした時間が過ぎていく。

それはもう本当にあっという間で、ずっとお喋りしていたいくらいだった。

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