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「あのね、若利君。私欲しいものが一つ増えたよ。」


「!」



少しだけ、レシーブが乱れた。



「私、ずっと若利君に会いたいと思ってた。



電話が来たとき嬉しかった。



毎日昼と、練習あとの放課後がとても楽しみにしていた。



試合の時、いなくって寂しかったけど、ずっと応援していて、でも早く帰ってこないかなって言う変な矛盾ばかりなっていた。



これは、欲なのかな。」



ボールが跳ね返ってきて、レシーブをしようと構えるが、それはいきなり抱き着いてきた若利君によって阻止された。ボールはそのまま、地面をはねた。



「それは、欲だ。俺を求めているということでもいいのか。」


「…うん、いいよ。」


「A。」


「ん?」


「俺のものになってくれ。好きだ、付き合ってくれ。」


「もう、なんで命令口調なのよ…。」



それが若利君であって、私の求めた若利君だ。



「うん、貴方のものになるし、私も好き。付き合おう。」



そういうと、若利君はさらに強く抱きしめた。ちょっと苦しいけど、嬉しかった。



「若利君、苦しい。」


「すまない。」


「フフ、若利君らしいや。」



クスクスと笑うと、若利君がまた「A。」と呼んできた。顔をあげると、軽いリップ音がした。

口にほんのわずか、触れた感じがして、若利君にキスされたのだと分かった。



「……!」


「今は、これだけだ。」



寒さなのか、恥ずかしいのか分からない若利君の耳の赤さを見て、私も顔が熱くなっていくのを感じる。



「いきなりでずるい…。」



凄くうれしくって、にやけが止まらなかった。

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楠愛(プロフ) - 9話の赤髪が赤紙になってますよ。 (2017年2月21日 16時) (レス) id: 9678190cd6 (このIDを非表示/違反報告)
kana - 牛若さんの意外な一面が、書かれてて、面白かったです!更新頑張って下さい! (2017年1月16日 8時) (レス) id: f7184af0a4 (このIDを非表示/違反報告)
トン - この作品も面白いですね!牛若も他のメンバーも書くの上手いし、ストーリーも面白いっすよ。 (2017年1月11日 1時) (レス) id: 9be2179d55 (このIDを非表示/違反報告)
ルラ - ピュアっ 純粋っ 可愛いっ good! (2017年1月5日 19時) (レス) id: 3bbc5d11c3 (このIDを非表示/違反報告)
楕円道を歩む少年 - 牛若ちゃん…可愛すぎるっ (2016年12月29日 19時) (レス) id: 57ede5ac54 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いすだ | 作者ホームページ:欲はない。  
作成日時:2016年11月23日 23時

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