いらない。【牛島若利】

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放課後、体育館のギャラリーには、たくさんの女の子がいた。

練習試合もない普通の試合なのに、凄い人数だった。

端の方に椅子があった。埃が少しかぶっていたので、椅子にハンカチを敷いて座った。

女の子たちは、黄色い声をバレー部の人にかけていた。

若利君が見えて、じっと見つめる。ボールが上がった。若利君が助走をつけて飛んだ。

そのフォームは美しく、男も、女も虜にするような美しいフォームだった。

バレーって…こんなにかっこいいスポーツなんだ。

終わった後に、若利君がこっちを見た。思わず焦って目をそらしてしまった。

それはまずいと思い、もう一度若利君を見ると、まだ見ていた。

とりあえず手を振ると、コクリとうなずき練習に向かった。

他の女の子たちは若利君の方はもう見ていなかった。よかった…。









「あれ、若利君、ボーっとしちゃってどうしたの。」


「なんでもない。」


「ふぅん。(Aちゃん来てるんだな。)」


(あれ、あいつ入学式ん時に出会った…。)









しばらくたって６時。もうこの時間帯になると、周りの女の子たちは帰ってしまい、私だけが残っていた。

本を読んで待っていると、「おつかれしたー！」という声が聞こえた。

終わったんだ。若利君が軽く片付けをしたのを見て、私も本を閉じ、下に向かった。

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