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yb side

光と付き合いだしたのは3年前、好きだったと光から言われた。


光は俺の中で特別だった。光が悲しんでいれば、一番そばで慰めて応援してやりたかったし、笑っている時はやっぱり一番そばで一緒に笑っていたかった。

メンバーとしての付き合いが長くなって、少し距離を置くようになってもその願望は根底にあったと思う。


光に付き合って欲しいと言われて、自分の気持ちが恋愛かどうかなんて分からなかったけど、断るなんて選択肢はなかった。


それから俺は自分の気持ちに向き合わないまま、光と付き合って来たのかもしれない。


いつでも光が引っ張ってくれて、俺たちの仲は進展していったし、光と一緒に過ごす時間は付き合ってからの長さと反比例するように減っていった。俺は徐々に付き合う前と変わらないくらい出掛けるようになった。光も何も言わなかった。


だからあの日、帰ったら光は居なくて、テーブルの上の手紙を読んだ俺は、タライが頭に落ちて来たくらいのショックを受けた。こんなにショックを受けている自分にもショックだった。


もちろん光を大切にしてきたし、光が傷付かないよう守ってきたつもりだ。でも、心のどこかでいつでも俺が優位にいると思ってた。


こんなに好きだったなんて。


今目の前に光がいる。泣きながら別れ話をしようとしている。光は必ず戻ってくると過信していた自分が嗤える。


本当は光の言いたいことは分かってる。


俺が出掛けるのをやめて、光とずっと一緒に居ても、我慢するのが光から俺に移るだけ……最初はそれでいいだろう、でも必ず限界が来る。

だったら俺は俺で、光は光で無理せず一緒に居られる人を探した方が楽だろう。俺の友達との付き合いも楽しめて、自分も友達が多くてよく出掛けるような人と付き合えば、お互い我慢する必要はないのだから。


でも、俺が一緒にいたいのは光で、光が俺以外の誰かと一緒に居るなんて許せない。


想像しただけで、怒りで顔がひきつる。


でも、今の光を納得させるだけの、二人でずっと一緒に居るための方法が分からない。中途半端な提案では決意を固めようとしている光の心は動かないだろう。


ただ光を失いたくない一心で、別れを口にしようとする光を力ずくで引き寄せて、無理矢理に口を塞いだ。

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作者名:黄色の梅 | 作成日時:2019年11月19日 11時

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