朝 ページ9
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JK
「Aに何してるんですか」
イリに覆い被さるテヒョニヒョン。涙目のイリ。
テヒョニヒョンがイリに手を出したのは明らかだ。
いつもこうだ。
(A)は俺の大切な同期。
初めて会ったとき、この世にこんなに可愛い人がいるんだ、と思ったと同時に、俺が守ってやらなくちゃとも思った。
優しくて努力家で、歌がとても上手い。
だから誰からも好かれることはわかってたはずなのに
「その手を離してください。何したんですか」
許せない俺がいる。
イリを泣かせたり、苦しませるやつはこの世からいなくなればいいとさえ思う。
「(A)、ほら、こっち来て」
「ぐく、強、」
「何されたの」
イリを強く強く抱きしめる。
俺の大切なイリ。
「グク、大丈夫だよ、いつものことだよ」
「また噛まれたの?」
「えっと、噛まれてはないんだけど…」
特にテヒョニヒョンはやっかいだ。すぐイリに手を出す。噛みグセがあって、イリをすぐ噛む。
俺がテヒョニヒョンを睨みつけていると、おずおずとイリが俺の背中に手を回した。
「グク、守ってくれてありがとう。心配かけちゃってごめんね。ちょっとびっくりしちゃったの。でもグクが来てくれたから大丈夫だよ」
ありがとう、と甘い声が耳元で囁く。
テヒョニヒョンにもイリは笑いかける。
「ヒョン、怖いのは僕いやだ。びっくりした」
これがイリの不思議なところ。
イリは人を嫌いに思わない。嫌なことをされても、笑って許してあげるのだ。そうすると、なぜか嫌な気持ちが消えていく。
さっきまで俺に怒ってたテヒョニヒョンだって、イリが言うなら、と俺にごめんと謝った。
「足りなかったから補充しただけだよ、びっくりさせてごめん」
「…次やったら許さないですから。1ヶ月添い寝禁止ですよ!」
「それは嫌だ!ねえ、イリ、水曜日一緒に寝るんだよね??」
「はい!ヒョン!一緒に寝てください!」
無邪気に笑うイリ。
「って、イリ!一緒に寝るのはダメ!危ないだろ!」
「僕夜怖いから一人で寝れないよ」
「ほらイリがそう言ってるじゃん」
「俺が寝るから!!」
「グクとは一昨日一緒に寝たでしょ?」
…やっぱり俺がちゃんとイリを守ってあげなきゃだめみたいだ。
へへんと笑うテヒョニヒョンをまた睨み返した。
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みといそ(プロフ) - キーボードさん» そう言って貰えてよかったです!書いて欲しいジャンルや作品があったらぜひ教えてくださいね。応援よろしくお願いします。 (2022年12月20日 13時) (レス) @page23 id: 5f5abc86a8 (このIDを非表示/違反報告)
キーボード - さいっっっっこうの作品でした!!本当に防弾少年団の歌までネタとして入れるなんて最高すぎて泣けそうでした...ハート一回しか押せないなんてつらすぎます...これからも頑張ってください!応援します! (2022年12月18日 8時) (レス) @page23 id: d8014ebbb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みといそ | 作成日時:2022年10月25日 20時