宿舎 ページ11
◆
side:YG
「また振られた」
JN「懲りないね〜。というかAも頑固だよね。なにか言えない事情でもあるのかな」
Aというカウンセラーがいる。
俺の数少ない全てをさらけ出せる人だ。
理由は俺にもよく分からない。なんかAの雰囲気や話を熱心に聞いてくれるその姿勢が、俺にピッタリと合ったからかもしれない。
俺は性格上悩みとかは溜め込みがちだし、Aはカウンセラーで悩みを解決するためにいるもんだから、役割的にもピッタリだ。
だから、もっと踏み込んだ関係になりたいのだが、毎回いい線まで行って振られまくっている。もう既にカウンセラーと客っていう関係は超えてると思うのにな。Aの業務を遂行するっていう意思が固くて、なかなか心を開いてくれない。まあそれもAのいい所なのだが。
JN「コンサート毎に連れてきたい、ってマネヒョンにも散々言ってるのに何故か社長OKが出ないらしいよ」
「次の壁は社長か。」
もっと大きくならなくてはと俺はため息をついた。防弾少年団がもっと大きな存在になったら、わがままも聞いてくれるようになるだろう。
JN「次は僕の番だから、例の計画に誘ってみるよ」
「マジか。ありがとうございます」
JN「いいって！だってAってさ、本当に良い人だし、年齢も近いし、もっと仲良くなりたいんだもの」
僕のオヤジギャグですぐ笑うんだ、とジニヒョン。
確かにAは笑いのツボが浅いからすぐ笑ってそうだ。
JN「ただユンギ、狙ってるのは僕達だけじゃないってこと忘れちゃだめだよ」
「ジョングクとか、か。もうあれは病的だからなぁ」
JN「最近テヒョンとかも追加予約してるの見たし、Aにハマるの時間の問題じゃないかなぁ」
「げ。テヒョンアがハマったらろくな事にならなさそうだ」
JN「でしょー？ 絶対予約入れまくるし、ただでさえ月イチで混雑してるのにもうやばいって」
ライバルの登場に俺は頭が痛くなった。
どれもこれもAが誰にも心を開いてくれないからだ。あーかったるい。
JN「まずはカトク手に入れるところからじゃない？」
まあヒョン呼びはさせてるし、膝枕も最近してくれるようになったし、いつかはずっと一緒にいてくれるんだろうな。
ジニヒョンに話を聞いてくれてありがとうと伝え、俺は作業室に戻った。
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作者名：みといそ | 作成日時：2022年11月18日 21時
