夢の時間 (ページ3)

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「おいおい(笑)

あんまり女の子をいじめるのはよくないぞ～」

マスターの茶化した言葉なんて

頭に入ってくるはずなかった。

だって…

帽子を取ってこっちを向いた彼は

『オセフンっ、』

いくら芸能界に疎い私でもわかる。

今韓国だけじゃなく

世界中で活躍してるグループ、

EXOのメンバー、セフンだった。

「ねえ。名前、名前何ていうの？」

『えっ？あっ、A…』

「Aちゃん、ね」

ただ名前を呼ばれただけなのに、

初対面なら挨拶することくらい当たり前なのに、

顔が…熱い。

これは、お酒のせい…

お酒のせい…

相手は、アイドル。

私には＿＿＿＿＿＿、

そう言い聞かせても

顔の熱さは引く様子がない。

「…ふふ(笑)

気に入った」

き、気に入った？何を？この状況で？

「やー、セフナ、

お前自分の立場わかってんのかー」

本当だよ…

天下のアイドルが

何言ってんの…

そんなマスターの言葉を無視して

「電話」

手のひらを差し出し

ニコリと微笑んだ。