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和沙くんに連れられて、お洒落なカフェでお茶をしたあと。
私は駅近くの公園で、和沙くんにある“お願い”をされていた。
『コンサートで演奏する曲を、私に作って欲しい…?』
「うん。嫌だったり忙しかったりしたら全然断ってくれてもいいんだけど、日本に帰ってきてから最初のコンサートは、ぜひAちゃんに作ってもらいたいなって思って」
なんと和沙くん、今度大きなホールのコンサートにゲスト参加するそうなのだ。
そして彼のお願いは、そこで発表する曲を作って欲しいとのこと。
『私は喜んで引き受けますよ。すとぷりの楽曲も、自分のチャンネルのボカロ曲もアップしたばかりだから』
「本当!?ありがとうAちゃん!」
『いえ、私で良ければ』
すると和沙くんは、私の手をギュッと握った。
『えっ…』
「A、ちゃん」
『はい…?』
「もう一つ、いいかな?」
え…………もう一つ?
意味がわからなかったけど、とりあえず頷く。
「僕………やっぱりAちゃんのことが好き。本気で」
『……!?』
「Aちゃんが恋愛に興味がなくて僕のことが好きじゃないのも分かってる。でも、僕はAちゃんのことが好きなんだ。付き合ってほしい。利用してもいいから」
『えっ、利用…って…?』
「恋愛曲を作るときの参考、とかにさ。音楽のために、利用してくれても構わない。それでも付き合ってほしい」
和沙くんは真剣に私を見つめる。
和沙くんを利用しようだなんて思わない。でも、何故か頷きそうになっていた。
…付き合ってみたら、何か変わるのかな。
そして、分かるようになるのかな。付き合えば、知れるのかな。
恋を。
『和沙くん、私……私は__…』
***************
莉犬side
Aちゃんの兄の星羅くんから電話が来たのは、ちょうどすとぷり6人で動画の打ち合わせをしてるときだった。
俺は「星羅くんからだよ!」とメンバーに報告し、通話ボタンをタップ。きっとメンバー全員への連絡だろうから、スピーカーにしておく。
り「もしもし星羅くん、どうした___」
『おい、落ち着いて聞いてくれ』
り「落ち着いてるよ〜w 焦ってるのは星羅くんでしょ?どうしたの?」
笑っていた俺らは、次の星羅くん言葉で凍り付くことになるだった。
『Aが、和沙と付き合うことになった』
と。
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シャーペンの芯(プロフ) - るな@推しの笑顔を守り隊!副隊長さん» コメントありがとうございます!!憧れてくださってるなんて……感激です!嬉しい!最後まで読んでくれて本当にありがとうございました!! (2021年8月4日 20時) (レス) id: 37f133a8ec (このIDを非表示/違反報告)
シャーペンの芯(プロフ) - 桜あややさん» あややちゃん、コメントありがとう!楽しんでもらえたみたいで良かった…!(笑)最後まで読んでくれて本当にありがとう! (2021年8月4日 20時) (レス) id: 37f133a8ec (このIDを非表示/違反報告)
るな@推しの笑顔を守り隊!副隊長(プロフ) - 完結おめでとうございます!(何気に初コメです)こんな綺麗に話がまとめられていて、すごいなと思いました!憧れます! (2021年8月4日 14時) (レス) id: 9663a7765e (このIDを非表示/違反報告)
桜あやや(プロフ) - 完結おめでとう!!!話が綺麗にまとまるの、ほんとすごいと思う…大好き。最後までめちゃめちゃ面白くって、すごかった…!!連載お疲れさまでした! (2021年8月4日 13時) (レス) id: 90426be14c (このIDを非表示/違反報告)
シャーペンの芯(プロフ) - 凛音さん» コメントありがとうございます〜!好きといってもらえてめちゃくちゃ嬉しいです…!最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました! (2021年8月4日 11時) (レス) id: 37f133a8ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シャーペンの芯 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/syapennosin/
作成日時:2021年2月12日 17時