苺の王子から「楽曲提供者になってほしい」と頼まれた件。【stxxx】

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さとみside



…星に願いを。

そんな言葉をよく聞く。

もしも今、俺の願いが叶うなら。

俺は＿＿＿＿＿…



『さとみさん！』

さ「！」



空に浮かぶ星を見て黄昏ている俺の背中に、トンっと優しい衝撃がする。

振り向くと、そこにはAちゃんがいた。



さ「Aちゃん、急に呼んだのに来てくれてありがとう」

『いえ…。私も、ちょうど暇でしたし。

でも急に、星を見ようだなんてびっくりしました…』



そう言って彼女は柔らかく笑う。



さ「いやぁ、今日は星空がとっても綺麗だってネットニュースでやっててさ。

普段ならこういうことしないけど、せっかくならAちゃんと見たいなって」

『私も普段、星なんて見ないので…。なんか新鮮です』



Aちゃんは俺の隣で、星空を見上げる。

此処は小さな公園で、東京の中でも建物が少なく、夜にはこうして星が見えるのだ。



二人で秋の夜空を見上げていると、ふと、Aちゃんが言った。



『…無限大、ですね』

さ「え？」

『あっ、すみません。ただ、星空って無限大ですごいなぁ…と思って』



彼女は恥ずかしそうに笑ってから、祈るように手を組む。



さ「ははっ、もしかしてAちゃん、なんかお願い事してる？」

『そうです。星に願うと叶うって言うじゃないですか』

さ「Aちゃんがそういうの信じるって意外。Aちゃん、願いが叶うとかそういうのに冷たいタイプだと思った」

『さとみさん失礼〜…。

…私だって信じますよ。ただ、星ばかりに頼りたくはないですけどね』

さ「え？」



俺が首をかしげると、Aちゃんは空に祈ったまま話した。



『やっぱり私は、自分の力で夢を叶えたいです。星にはちょっぴり、その手助けをしてほしいっていうか。

私の夢はまだ分かりませんけど、いつか叶えたいなぁ』

さ「…………。」



まっすぐに語るAちゃんを見て、あぁやっぱり彼女はすごい、と思った。

敵わない。



さ「…そうだね。俺も祈ってみよう！」



俺はAちゃんと同じように手を組み、静かに目を閉じた。



今、俺が願うなら。



Aちゃんの夢が見つかりますように。そしてそれが叶いますように。



そして、あわよくば俺と＿＿＿＿…

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