苺の王子から「楽曲提供者になってほしい」と頼まれた件。【stxxx】

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な「Aちゃんの友達がオーディション受けるのか〜。それの応援ソングを作るなんて、運命じゃない！？」

『運命…なんですかね？』



学校に帰ったあと。

私は作業部屋で、ななもりさん、ジェルさん、さとみさんとグループ通話をしていた。



じ「にしても応援ソング、か！楽しみやな〜！」

さ「しかもテーマが“夢”って、めちゃくちゃかっこいい！」

『ん〜…。夢、かぁ…』



私は今まで一度も、「応援ソング」というジャンルの音楽を作ったことがない。

私が作った今までのボカロ曲は、ストーリーがある歌が多かったから…。ある意味初めての挑戦かも。



ふと、私は三人に訊いた。



『あの…。皆さんの夢、ってなんですか？』

さ「俺らの、夢？」

『はい。少し曲の参考にしたくて…』



私が言うと、三人は電話越しに「いいよ」と答えてくれた。



な「ベタかもしれないけど…

やっぱり、皆を楽しませて笑顔にすることかな！」

じ「そうそう！嫌なこととか忘れてほしい！」

さ「俺らの活動で誰かが笑顔になってくれれば嬉し………って、めちゃくちゃベタだけどそれが一番かな」

『ほぉ〜……』



私が感心していると、さとみさんが言う。



さ「Aちゃんは？」

『えっ』

さ「夢、ないの？」



思いがけない質問に、言葉が詰まる。



私の………夢？

やっぱりこのまま音楽を……。でも、途中で挫折したりしたら？

う〜ん、公務員？お医者さん？OL？どれもしっくりこないけれど…。



『…す、すみません。まだよくわからなくって…』

さ「あぁ、大丈夫。いきなり話降っちゃってごめんね」

『い、いえ…』



そのあとも曲について話し合ったけれど、なんとなく、話の内容が体をすり抜けていったような気がした。



私の夢……。やりたいこと、ってなんなんだろう？

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