角名くんに推されてます (ページ2)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:810 hit

角名くんの推し様ページ2

「あ、おはよA」

「お、おはよう…す、角名くん」

朝、SHRの前席に着くと隣の角名くんが顔を上げて「おはよう」と言ってくれる

これは毎朝のことで、時間ギリギリに登校する私とは違い、朝練でもあるのかいつも私より先に席に着いている角名くんがおはようと言ってくれるのだ

「今日も可愛いね、寝癖ついてる」

「うそっ、どこ」

ちゃんと家に出る前に確認してきたはずなのに…

でも元々くせっ毛だし急いでたしもしかしたら治って無かったのかもしれない

恥ずかしくなって慌てて頭を手で覆うけど角名くんはクスッと笑って「ここ跳ねてる」と私の髪に手を伸ばした

「顔赤いの可愛い。写真撮っていい？」

「だめ！」

ことある事にスマホを向けてくる角名くん。私のことを撮ったってどうしようもないのに

それに一日に何回も可愛いなんてサラッと言ってくるから心臓が持ちそうにない。おそらく言われる事に寿命が減っている

「お前ら二人朝からようやるな」

「推しは見てて飽きんからな」

どこに行ってたのかおにぎり片手に教室に戻ってきた治くんは、私たちを横目に見て席に着いた

「今日お昼一緒に食べよ」

「うん、いいよ」

そんな約束をしてSHRが始まった

「あのね、角名くん。」

「どうしたん？」

「なんでカメラ向けるの？」

机に向かい合ってお昼を食べるけど何故かずっとスマホを向けてくる角名くん。

目の前には美味しそうなお弁当が広げられているのに食べなくていいのかな

「推しが食べてるとこって一生見とけるなって思って」

「その、恥ずかしいんだけど」

すごく食べずらいし、推しなんて言われると恥ずかしくて顔をあげられない

「心配しなくてもAは可愛いよ」

全く答えになってない返答が返ってきてまた眉を下げた

本当になんで私なんかを推しって言ってくれるのか未だによくわかっていないのだ