黄色の笑顔に答える日 (ページ37)

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#15 告白ページ37

Aside

本人の前で、2人がきりの状況で…

これ出すの!? と思ったが、壁に追いやられ真っ直ぐに

見つれられると、もう逃げ場はない｡

おずおずとうちわの裏を彼に向ける

裏には“エアハグして”の文字

岩「ふーん｡」

見た瞬間に、ニヤつきゆっくり近づいて

後ろの扉に両手をつけられる｡

ぐっと距離が近くなるが、彼は私から真っ直ぐ目を逸らさずに

岩「“エア”でいいんだ｡」

心臓がドキンと大きく跳ねる

いつもだったら恥ずかしくて目も見てられないが

彼の目からなぜか逸らすことができず

小さく首を振る｡

すると、顔の横につけられた手が壁から

離れたかと思うと、左の肘から彼の方へ引っ張られ

彼の胸の中に招かれる

頭と腰あたりに手を回し、だんだんと力が込められる

手の行き場がなかったが、私の身長に合わせ少し

丸まった大きな背中に手を回す

彼の鼓動が聞こえ始めた頃、

岩「ねぇA」

『ん？』

岩「…俺、絶叫乗れないし､お化け屋敷かっこよく

引っ張れないし、歌もそんな上手くねぇし、ごついけど、

…Aの彼氏になって､Aと一緒にいたい｡

独り占めしたい｡俺だけ見てて欲しい｡」

『……うん｡』

そう言い終えると、1度体を離し、私の目をしっかりと見る

岩「好き、です｡…俺と、付き合って、ください｡」

少し震えた声で… 不安そうな顔で…

2度目の気持ちを伝えてくれた照さんを

私は、断る理由なんて… なかった｡

『…… 私も、照さんのことが好き｡

　 ……よろしく、お願いします｡』

岩「……ｯあ゛ぁーーー、よかったぁーーーー

ちょっとごめんまじで緊張した｡(笑) だせぇー」

『ダサくないよ全然(笑)』

岩「…はぁ、もうちょいぎゅーしたい」

そう言って私の首に手を回し“んー♪”と上機嫌で

左右に揺らしている

かわいいなーなんて思っていると不意に体が離れる

『んｯ …ん？』

岩「…好き｡」

気がついた時にはもう唇は触れ終わっていた｡

『え、』

岩「ごめんもっかい｡」

『ちょ、んｯ …… …ん､､､』

岩「ん… …… は、 …ふｯはは、顔あっか(笑)」

『はぁー……(胸に頭当てる) 心臓もたない｡』

岩「ごめん(笑)」

したかったんだもんと笑いながら私の頭を撫でてくれる

幸せだ｡恥ずかしさはどこかへ飛んでいき、

離れ難い気持ちだけが残った｡