アルカナム ページ10
案内された席は、とても煌びやかで私は身の丈に合わない気がしてきた。
ホールでは綺麗な女性達がそれぞれの卓に付いている。
藤巻さんは、案内してくれた男の子に何かを伝えており、それを了承した男の子は、どこかへ向かって歩いていった。
「あの、藤巻さん。白鳥もよくここへ？」
「あぁ……まぁ」
歯切れの悪い返事。ここに来ていることは確かだろう。
……もしかして、帰りが遅くてほんのりお酒の匂いがする時は、いつもここに？
「女性と来られるのは珍しいですね。藤巻先生」
近くから女の人の声がして顔を上げると、同性の私が見ても美しいと思える女性がにこやかな表情で立っていた。
「きれい……」
うわ言のように呟くと、女性は私の方を見て嬉しそうに笑った。
「あら、ありがとうございます。可愛らしいお方ですね、藤巻先生のお知り合いですか？」
「いえ、白鳥理事長のご友人だそうです」
「そうなんですか。お名前をお聞きしても？」
「Aです……」
「Aさん、ですね。私、アルカナムのオーナーをしております、安曇杏梨です」
安曇さんのオーラに圧倒されて、止まりそうになっていた思考を、必死で動かす。
やっとここまで来たんだから、ちゃんとしなきゃ。
「あの、白鳥のことで安曇さんに聞きたいことがあるんです」
「……込み入った話になりそうですね。ひとまずお酒でもいかがですか？」
「はい！……あ、いや、私は水で結構です」
お酒、飲みたかったけど……そういえば、稔さんに外で飲むのは禁止されてるんだった。
お酒なんて飲んで帰ったら、稔さんに家出していたことがバレてしまうかもしれない。
飲み物が届き、私は水で喉を潤して安曇さんを見つめる。
もし、この人が稔さんの浮気相手だったら……と思うと言葉が上手く出てこない。
どうしよう、このままじゃ……と思い詰めていると、藤巻さんの前に置かれたお酒が目に入った。
考えるより先に体が動いて、お酒の入ったグラスを手に取り、一気に飲み干す。
「えっ、Aさん……！？」
度の強いアルコールが一気に体に巡り、思考を低下させていく。
空になったグラスを机の上に置き、私は立ち上がった。
「あの！……安曇さんが、白鳥の浮気相手なんれすか！？」
店内にいる全員が、驚いた様子で私を見ていたことに、安曇さんだけを見ていた私は気付かなかった。
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ときあと(プロフ) - 雪さん» ご指摘ありがとうございます。少しずつ修正していこうと思います。今後も是非読んでいただけると嬉しいです。 (3月10日 22時) (
レス) id: 26b0244867 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - こんばんは(*^^*) はじめまして。 いきなりすみません。。。 物語読みました。 読んでいて思ったのですが。。。 台詞の間(行間隔)あけてはどうでしょうか？ 行間隔が詰まっていると何だか読みにくいので。。。 (3月10日 22時) (レス) @page2 id: 6d33361b7d (このIDを非表示/違反報告)
ときあと(プロフ) - みつ丸さん» 冷静になって考えたら、自宅に監視カメラ付けてるのって相当ですよね…(汗)応援ありがとうございます！ (3月1日 20時) (レス) id: 26b0244867 (このIDを非表示/違反報告)
みつ丸(プロフ) - ドラマのお陰で、理事長=監視キャラのイメージがありますよね(笑)連載楽しみにしております！ (3月1日 20時) (レス) @page4 id: 8f46f7c20d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ときあと | 作成日時：2024年3月1日 18時
