作戦開始 ページ4
ベランダに到着し、洗濯物を干していたお隣さんにアイコンタクトをする。
お隣さんは、若い女性で洗濯物を干しながらお喋りしているうちに仲良くなり、今回の家出計画を手伝ってくれることになった。
私に気付いたお隣さんが、近寄ってきて手を差し伸べる。
私は手を取り、一度柵の外へ出た。
マンション最上階の景色に少し圧倒されつつ、なんとかお隣さんのベランダへと足を踏み入れた。
「頼まれていた変装グッズ、用意しておきましたよ。それと……新しいスマホです」
「え、スマホは頼んでないよ！」
「あった方が便利ですから。私の連絡先は既に登録してあります。勇気を出してくれたAさんに、私からプレゼントさせてください」
「でも……」
「お金なら大丈夫です。ほら、私これでも社長やってるので、お金は有り余ってるんですよ。あの胡散臭い旦那から逃げる記念として、受け取ってください」
「あはは……今日中に帰ってくる予定だけど……それじゃあ、ありがたく」
お隣さんは、何故か稔さんのことを嫌っている。
あの顔は信用出来ない、とベランダで何度も力説されてきた。
私は、そんなことないのにな……と思いながら聞き流していたけれど。
変装着に着替え、ウィッグを被るとお隣さんから話しかけられた。
「これからどうするんですか？変装していても、病院に向かうのは危険だと思いますよ」
「それでも、病院に行けば何か分かるかもしれないから、私は……」
「……行くんですね。くれぐれも、白鳥稔の視界に入らないよう注意してください。何かあったらすぐ私に電話を。早急に駆けつけます」
「分かった。……本当にありがとう」
「いえ、Aさんのためですから」
玄関で靴を履き、お隣さんに深く頭を下げる。
扉を開け、エスカレーターに乗り、無事にエントランスを突破した。
久しぶりに見上げた空は、どこまでも青が広がっていて、とても綺麗だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 20人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ときあと(プロフ) - 雪さん» ご指摘ありがとうございます。少しずつ修正していこうと思います。今後も是非読んでいただけると嬉しいです。 (3月10日 22時) (
レス) id: 26b0244867 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - こんばんは(*^^*) はじめまして。 いきなりすみません。。。 物語読みました。 読んでいて思ったのですが。。。 台詞の間(行間隔)あけてはどうでしょうか？ 行間隔が詰まっていると何だか読みにくいので。。。 (3月10日 22時) (レス) @page2 id: 6d33361b7d (このIDを非表示/違反報告)
ときあと(プロフ) - みつ丸さん» 冷静になって考えたら、自宅に監視カメラ付けてるのって相当ですよね…(汗)応援ありがとうございます！ (3月1日 20時) (レス) id: 26b0244867 (このIDを非表示/違反報告)
みつ丸(プロフ) - ドラマのお陰で、理事長=監視キャラのイメージがありますよね(笑)連載楽しみにしております！ (3月1日 20時) (レス) @page4 id: 8f46f7c20d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ときあと | 作成日時：2024年3月1日 18時
